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所用時間5min
2014.07.12

プウコホラ・ヘイアウ国立歴史公園

ここがポイント

カメハメハ以前は島々にそれぞれの支配者が居り、その覇権争いが繰り返されていましたが、1795年に南のハワイ島からオアフ島までがカメハメハ大王の手中に治まり、1810年にハワイ八島全てが大王の下に統一され、ハワイ王国の領土となりました。

1790年頃から、カメハメハは全島制覇の準備を着々と進めていた

ハワイ島は五つの火山から成り立つ、ハワイ諸島では生成年代の一番新しい島です。その中では最も古く、島の北に突き出ている火山がコハラ山で、その南西の麓に、カワイハエと云う入り江が在ります。北緯20度に位置するハプナビーチの北側にあたり、現在は、貨物船や艀も入港する大きな港になっていて、11月から3月にかけては、ホエールウォッチングの船もこの港を利用しています。 カワイハエには、カメハメハが島々の統一を目論むにあたり造った、縦75m、横33mもの巨大なヘイアウ(祭祀場)の石積みが、当時そのままの姿で残されています。このヘイアウはプウコホラと呼ばれています。ハワイ語で、プウは「丘」、コホラは「鯨」を意味しますので、直訳すれば「鯨の丘」です。

カメハメハは、この海を見下ろす丘の上に1790年から一年間かけて、新しいヘイアウを造り、叔父でありハワイ島全土とマウイ島東部のハナを治めていた王、カラニオプウから受け継いだ戦闘の守り神「クー カ イリモク」を祭り、戦いの準備を進めます。大砲を仕入れ、島に留め置かれた英国人、ジョン ヤングとアイザック デービス等の力も借りて戦術を練り、マウイ島、オアフ島攻略の機会を虎視眈々と窺っていました。


ジョン ヤング(1800年頃のものと思われる)

1790年、カメハメハは、マウイの王であったカヘキリがオアフ島に居る間に、その息子のカラニクプレとマウイ島のイアオで戦い勝利を収めましたが、その後カヘキリに再度取り返されてしまいます。 1794年、当時マウイとオアフを支配していたカヘキリが亡くなり、カメハメハは、ハワイ全島統一の意思を強く持つようになりました。この時点でカメハメハは、千艘近くの戦闘用カヌーの他に、大砲や西欧の帆船も有していたと伝えられています。1795年2月にはマウイ、モロカイ、ラナイを制圧し、オアフ島のワイキキからカハラにかけて上陸し、4月には敵をヌウアヌパリに追い上げて勝利しました。ヌウアヌパリ展望台の案内板には、敵の兵士四百人が、絶壁から鳥のように落ちていったと書かれています。 その後、カメハメハは、1796年と1803年から4年にかけての二度、カウアイ攻略を試みますが、最初は嵐に遭いオアフに引き上げ、二回目は部下の多くに病気が蔓延し、攻撃を断念しています。


そして、1810年、ようやくカウアイの王であったカウムアリイが降伏。カウアイ島とニイハウ島もカメハメハ大王の手中に納まり、ここで始めてハワイ八島全てがハワイ王国の領土となりました。 カメハメハが、ハワイ全島征服を目論んで造ったプウコホラ ヘイアウの在るカワイハエ地区は、現在その一部の土地しか保存されていませんが、昔はネイティヴ ハワイアンの集落があった場所で、ハワイ島に留め置かれた後、カメハメハの大王の良き腹心の部下となった英国人ジョン ヤングも、カワイハエの山手に住んでいました。


1930年に撮られたと思われるプウコホラの写真
ビショップ博物館の展示物より

現在、プウコホラの在る地区は、米合衆国国立公園局により管理されています。

「プウコホラ」は鯨の丘を意味しますが、ネイティヴ ハワイアンの人々の間では、もっと深い意味合いがあったのだと思われます。


プウコホラ・ヘイアウ国立歴史公園
所在地: コハラ・コースト カヴァイハエ港から南に1.6km
電話番号: 808-882-7218
見学時間: 8時15分〜16時45分(16時45分に入口のゲート、17時に駐車場が閉鎖されます。)
入場料: 無料。ガイドツアーは$2(10名以上の団体向け)
ホームページ:http://www.nps.gov/puhe/index.htm(英語のみ)

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  • 浅沼 正和
    Masakazu Asanuma
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    ハワイ在住通算27年目を迎える。2001年からビショップ博物館で日本語ドーセントのボランティアを始め、2003年に同博物館の会員組織を代表する Bishop Museum Association Council のメンバーに選出され、現在に至る。他に、ハワイ日米協会理事やハワイ日本文化センターのBoard of Governor 等を務め、日布間の文化交流活動に従事している。海外の訪問国と地域の数は95箇所に及ぶ。

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