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所用時間5min
2016.05.11

哺乳類

ハワイ諸島に人が住み着く以前から生息していた哺乳類は、わずか2種しかいません。なぜこれほど少ないのでしょうか? それはハワイが絶海の孤島であることに深く関係します。

固有種
ハワイ諸島は周囲の島や大陸から3,000km以上も離れた絶海の孤島であるため、鳥類や魚類のように海を遠距離移動できる哺乳類物はほとんどいません。ハワイには空を飛べる唯一の哺乳類であるコウモリと、海を渡ることのできるアザラシだけが定着しました。

ハワイ諸島に固有の哺乳類はハワイアンホーリーバット(シモフリアカコウモリの近縁 / オペアペア)とハワイアンモンクアザラシ(モンクアザラシの一種 / イーリオホロイカウアウア)しかいません。モンクアザラシには、ハワイモンクアザラシの他に、地中海モンクアザラシとカリブモンクアザラシという近縁がいますが、カリブモンクアザラシは絶滅し、地中海モンクアザラシもハワイモンクアザラシ同様、個体数が減少し絶滅危惧種に指定されています。ハワイモンクアザラシは保護政策により増えつつありますが、サメの増加に伴い、襲撃されることが多くなっています。

体を温めるハワイアンモンクアザラシ

海生哺乳類
ハワイ諸島の観光資源としても重要なザトウクジラは10月下旬から3月下旬にアラスカやカリフォルニア近海から南下して出産と子育てを行います。しかし、近年の温暖化により、暑くなりすぎたハワイ諸島を避け、小笠原諸島などに移る個体も多くなりました。この他には、ハシナガイルカがいます。

ハシナガイルカの群れ

伝統的な家畜
先住のハワイ人が持ちこんだ哺乳類にイヌ(ポイドッグ)とブタ(アジアイノシシの近縁)とがいます。いずれも食糧としてポリネシア各島から持ち込まれました。イヌは「ダックスフントのように脚が短く胴体部が太い」という報告が、西欧人として最初にハワイを訪れたキャプテン・クックによってなされています。後年、欧米から持ち込んだイヌと掛け合わせをしたりしましたが、ポリネシア人が持ち込んだイヌは20世紀初頭に絶滅しました。ブタは野生化して主要な島に生息しています。

捕獲されたブタ

外来種
18世紀初頭に酪農用として導入されたウシは、当初は放し飼いをしていたため、ハワイの原生自然とその自然に依存する鳥類や昆虫類に深刻な影響を与えました。その後に導入されたウマも一部が野生化しています。この他に、貨物船などに乗り込んで侵入したネズミが蔓延し、そのネズミを駆逐するために導入されたマングースはネネなどの野鳥の卵を襲いました。世界各国から移住した人たちが連れてきたイヌやネコなどのペットも諸島全体に拡散し、その一部は野生化して既存の動植物に脅威を与えています。また、狩猟動物として導入したヤギやシカも生息数を増やしています。

野良猫とマングース

※トップ画像は剥製のオペアペアです。

  • 近藤 純夫
    Sumio Kondo
    担当講師

    エッセイスト、翻訳家、写真家。ハワイ火山国立公園アドバイザリースタッフ。ハワイ州観光局アロハプログラム・キュレーター。ハワイ関連の著書に『フラの花100 』『新ハワイアンガーデン』(平凡社)、『歩きたくなるHawaii』(亜紀書房)、『フラの本』(講談社)、『Dear Maui マウイを巡る12の物語』(共著/ Little Gift Books)、訳書に『イザベラ・バードのハワイ紀行』(平凡社)など。
    フェイスブック・サイト https://www.facebook.com/kondo.sumio
     

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