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所用時間5min
2014.07.28

ハレアカラ国立公園

ハレアカラ火山はマウイ島の象徴&最高峰

  • ハレアカラ火山はマウイ島最高峰で休火山
  • クレーターはハワイアンの宗教遺跡も残る聖地
  • 希少な高山植物やハワイ原産の動植物が多数見られる

ハレアカラ火山は世界最大級の休火山。マウイ島を代表する観光名所であり、標高3055メートルとマウイ島最高峰でもあります。マウイ島のどこからもその姿が拝せるだけでなく、天気がよければオアフ島など遠く他島からも、その山陰がうっすらと見えるほど。「アカカ・ヴァレ・オ・ハレアカラ(ハレアカラはよく見える)」というハワイでよく知られた諺がありますが、これは一目瞭然、を意味する言葉です。
 

ハレアカラ国立公園はハレアカラ山頂から裾野の海岸エリアまでを含み、総面積120キロ平方メートル。クレーターも直径12キロと広大です。クレーターには火口丘が11箇所も盛りあがり、その情景は太古の噴火時代そのまま。赤茶色の土砂が創りあげるその様子は神秘的かつ独特で、まさに別世界。山頂からクレーターを見下ろせば、スタンレー・キュービック監督の名作「2001年宇宙の旅」の1シーンがここで撮影されたり、(その環境が月面と似ているとの理由から)アポロ計画を前にアメリカの宇宙飛行士が訓練を行ったりしたというのも、納得できるでしょう。
 

ハワイとはいえハレアカラの山頂やクレーターは、季節により氷点下にもなれば雪も降る冬の世界。なので古代ハワイアンは定住こそしませんでしたが、古来、埋葬や信仰、また石(石斧用など)や植物、小鳥の羽(王族用ケープなどの素材)の採取など、さまざまな理由でハレアラカの頂きを目指しました。クレーターには多数の遺跡も点在。1920年にビショップ博物館が実施した初の発掘調査では48もの石作りの建造物が見つかっており、学者達はそれらを祭壇やヘイアウ(神殿)跡とみなしています。ハレアカラは、ハワイアンの大切な聖地でもあったわけです。
 

そのため一帯には神話・伝説も多く残り、ハワイ語で「太陽の家」を意味するハレアカラとの名称も、神話にちなむもの。昼間の時間がごく短く、母をはじめ人々が困っているのを見た半神半人マウイが、駆け足で空を巡る太陽を懲らしめるため太陽の寝床であるハレアカラへ。太陽を捕まえ、もっとゆっくり空を渡るよう諭した…との神話はあまりにも有名です。

山頂付近の天文台群

なお、ハレアカラ火山が最後に噴火したのは1790年。それから2世紀余りが過ぎた今、クレーター内には連邦政府が管理する山小屋やトレイルもあり、トレッキングや乗馬も人気アクティビティとなっています。また天体観測所も設けられるほど空気の澄んだこの地は、星空や日の出を楽しむのにマウイで随一のスポット。山頂から眺める神秘的な日の出や、夜空を銀色に染めるほどの数の星々は、一生忘れられない思い出になることでしょう。

公園では珍しい高山植物の銀剣草も保護されている

山頂近くでは時に雪も降る一方で、海岸沿いのキパフル地区は気温が30度近くまで上がることもあり、川、滝に恵まれ緑豊かな熱帯のエリア。その気候の幅、標高の差を反映し、国立公園内では実に幅広い種類の動植物が生息しています。これまで公園内で850種の植物が確認されており、うち400種以上がハワイ原生植物、300以上がハワイ固有種。銀剣草など、珍しい高山植物もここで見ることができます。ガチョウの1種のネネ、海鳥のウアウなど絶滅危機種の鳥類も多数、暮らしています。

以上のように、風光明媚なだけでなく、文化的にも生態的にも興味の尽きないハレアカラ火山は、まぎれもなくマウイ島観光のハイライト。山頂付近を訪れる際は温かな服装や歩きやすいシューズの用意を忘れず、さらにクレーターを歩く場合には、トレイルを決して外れないようにしましょう。同時に、ハレアカラがハワイアンの聖地である事実を常に念頭に置きながら、訪問したいものです。また本格的なトレッキングや日の出、夜空を楽しむには、安全のため、ベテランガイドが引率するツアーを利用するのが無難でしょう。

ビジターセンター:公園の3カ所にビジターセンターがあります。山頂近くのハレアカラ・ビジターセンターは日の出から12時まで、中腹の公園本部ビジターセンター(電話808-572-4459)は8時から16時まで、海岸近くのキパフル・ビジターセンター(電話808-248-7375)は9時から16時までオープンしています。
入場料:車1台につき$25、オートバイは$20、自転車や徒歩などでの入場は、1人につき$12。全て3日間有効。15歳以下は無料
ホームページ:www.nps.gov/hale/index.htm


「太陽の家」ハレアカラの日の出

2017年2月1日より、ハレアカラ国立公園からの日の出をご覧になる際には予約が必要になりました。


午前3時から午前7時の間にハレアカラ山頂へ入園する場合、事前予約と、公園内の入園料とは別に車1台につき$1.50、クレジットカードでのお支払いが必要となります。
予約は、入園予定日の60日前からウェブサイトからのみ可能となります。
天候が理由による払い戻しや、日付の変更も出来ないとの事ですのでご注意ください。


服装のご案内や、注意事項なども掲載されています。
ご出発前に、サイトをご確認ください。

詳細はこちらから
予約はこちらから

  • 森出 じゅん
    Jun Moride
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセントも務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニー・マガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社刊)、「Hawaii 神秘の物語と楽園の絶景」(パイインターナショナル)がある。
    森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex

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