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2016.02.24

カネ&カナロア神話2「マクアカウマナの伝説」「プナルウ川の伝説」

カネ&カナロア神話2「マクアカウマナの伝説」「プナルウ川の伝説」

マクアカウマナの伝説
大昔オアフ島に、マクアカウマナという信心深い男が住んでいました。マクアカウマナはカネとカナロアを崇拝しており、日々の畑仕事も、カネとカナロアに祈りを捧げながら進めるという具合でした。

ある日のこと。カネとカナロアは、人間に身をやつしてマクアカウマナを訪問することに。見ず知らずの他人をも歓待するマクアカウマナの様子に神々は感激し、農作業に役立つオオ・スティック(土を掘りかえす棒)を与えました。

カネとカナロアは次に、老人に姿を変えてマクアカウマナを訪問。神々に祈る方法を教え、3度目の訪問では王族の姿で現れ、赤いカパ布やマロ(ふんどし)を与えたのでした。マクアカウマナは、カネとカナロアの大のお気に入りだったわけです。

ある時、カネとカナロアは話し合いました。「マクアカウマナをカネフナモクに一緒に連れて行ってやろうじゃないか」。カネフナモクは神々が暮らす楽園です。「地上の生活には重労働や辛い出来事もあるが、神の国では何の憂いもなく暮らせるよ」。そこで神々は巨大な魚に命じて海でマクアカウマナを飲みこませ、カネフナモクまで運ばせました。

カネフナモクには不老長寿の水をたたえた「カネの泉」もありますし、住人は美しく、まさに天国です。カネやカナロアと一緒に幸せに暮らしていたマクアカウマナですが、ある日のこと。マクアカウマナの心を試すため、神々はその息子が海で鮫に襲われている幻の光景を見せることにしました。

妻をずっと昔に亡くしており、地上では長い間、息子と2人きりで暮らしていたマクアカウマナ。カネフナモクに来る前には息子よりも神々への愛を選んだかのように見えましたが、息子が苦しんでいる幻を見たとたんに動揺! カネフナモクで禁じられている涙を流してしまいました。

それを見て、マクアカウマナがまだ地上の生活に未練があることに気づいたのでしょう。カネとカナロアは、マクアカウマナを地上に戻すことにしました。気が付くとマクアカウマナは浜に打ち上げられており、その後息子と涙の再会を果たしました。

ことの経緯を知ったマクアカウマナの友人達は、神の国を去らなければいけなかったマクアカウマナを気の毒がりました。ですがマクアカウマナは故郷の村で、年老いるまで息子と幸せに暮らした…ということです。

ハワイ中にカネ&カナロアが旅したという場所が残る。写真はオアフ島カネオヘ湾に臨むマエリエリの丘。「穴掘りの丘」を意味する名は、ここでカネ&カナロアが急斜面に指をたてながら(穴を掘りながら)山頂を目指したという神話による

プナルウ川の伝説
ある時カネとカナロアが、人間の姿でオアフ島ノースショアを旅していました。プナルウ川沿いを歩いていると小さな藁葺き小屋があり、中から「どうぞ中に入って休んで行きなさい。食べ物もあるよ」と親切に声をかけられました。

2人が小屋に入ると、そこには年老いた漁師のグループが座っていました。「さあさあ、ゴザに座りなさい。果物とポイをどうぞ」と漁師たち。さらに「魚も出したいところだが、このところずっと不漁でね」と言い、食事の前に祭壇で神への祈りをあげ始めました。

その様子に感心したカネとカナロアが尋ねました。「どの神を崇拝しているのかい?」。漁師らがカネとカナロアだと答えると、二人は大喜び。食事の途中で「本当にお前たちには魚が必要だよ」と、また声をかけました。それを聞いた漁師たちが実に残念そうな様子をしているのを見て、一緒に釣りに行こうと誘いました。

そこで一行がプナルウ川へと歩いて行くと、途中で魚の干物を吊るした小屋に通りかかりました。カネとカナロアは干物を手に取り、呪文を唱えながら川に投げ入れると…。不思議なことに干物の魚の鱗が輝き、目はまばたきして、生き返っています!

川をいっせいに泳ぎ始めた魚たちを見て、驚きの声をあげる漁師たち。夢中で川に網を投げ入れ、たっぷり魚を捕まえました。一行は喜んで小屋に戻り、お腹いっぱい魚を食べることができたのでした。

生気を取り戻した漁師たちを見てカネとカナロアは大満足し、小屋を辞して旅を続けたということです。

  • 森出 じゅん
    Jun Moride
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセント(水曜日担当)も務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニーマガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)がある。 森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex

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