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所用時間5min
2017.06.08

スラックキー・ア-ティスト#1

ワン・アンド・オンリー、ギャビー・パヒヌイ

スラックキー・ギターの歴史に残るハワイのミュージシャンを紹介する。
何から聴いていいかわからない初心者はここで紹介するアーティストのアルバムから聴くことをおすすめ!

ワイキキ・ビーチウォークが、ハワイが生んだ伝説のミュージシャン、ギャビー・パヒヌイをたたえ2017年5月末に銅像を設置することを宣言するポスター

1921年4月22日生まれのチャールズ・フィリップ・"ギャビー"・パヒヌイが育ったのは、ホノルルのカカアコ・エリア。家は貧しく、小学5年で学校をドロップアウト。その後音楽に目覚めジャズに心酔、スチール・ギターをマスターする。バーやクラブでのギグを重ね、後にスラック・キー・ギター・プレーヤーとして名を馳せるようになる。
1946年、初のレコーディングで「ヒイラヴェ」をリリースする。これが世界初のスラック・キー・ギターのレコーディングとなった。その後アンディー・カミングスのハワイアン・バンドで演奏を続けながら、数枚のスラックキー・アルバムをレコーディング。
1960年代、エディー・カマエのバンド『サンズ・オブ・ハワイ』に参加、数々の名演奏を残す。
1970年代、音楽仲間と息子たちと一緒に結成した自身のバンドでアルバムを次々に発表。50歳を越え人気絶頂を迎えたギャビーは最高のバンドでハワイ音楽史に輝く4枚のアルバムを残し、1980年10月13日、この世を去った。

ワイマナロのベル・ストリートにあるパヒヌイ・ファミリーのバックヤードでは、週末ごとに大カニカピラ(ジャム・セッション)大会が行われ、ギャビーのまわりにはたくさんの友人や有名ミュージシャンが集まり、ビールと音楽が絶えることはなかったという。

ジャンルを超えて人気を獲得している現代の若きスラック・キー・ギター・ミュージシャン、マカナはあるインタビューでこう語っていた。
「僕にとっての音楽的なヒーローはギャビー。10代のころ、周りのやつらがヒップホップをがんがんウォークマンで聴いている横で、僕はギャビーをフルボリュームで聴いていたよ」
世界的スターとなったオアフ島ノースショア出身のサーファー・ミュージシャン、ジャック・ジョンソンも、ハワイアン・ミュージック好きの両親が聴くギャビーの音楽を聴いて育った一人で「ギャビーはすごいミュージシャンだ」と語っている。
ギャビーが残した音楽は、世代や音楽のジャンルを越えて、人々に影響を与え続けている。


動画資料
Gabby Pahinui - Waimanalo Kanikapila 2011
インタビュー シリル・パヒヌイ、デニス・カマカヒ、パラニ・ヴォーン
 

ギャビーをたたえるワイマナロのスラックキー・ギター・野外ライブ・イベント

  • よしみ Nui だいすけ
    Daisuke Yoshimi
    担当講師

    【インタビュー動画あり】 1967年2月9日生まれ、神奈川県横須賀出身。1991 年よりハワイ在住。ハワイ大学卒業。フラ、ハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・コーディネート活動を行う。ハワイのクムフラやミュージシャンとの親交も幅広い。フラダンサーとして、メリー・モナーク、キング・カメハメハの大会出場経験あり。著書に『たくさんのメレから集めた言葉たち』シリーズ、『LIVE ALOHA~アロハに生きるハワイアンの教え』がある。近年、フラダンサーを対象とした日本での講演・セミナー活動に力を入れている。
    facebook: https://www.facebook.com/NuiDaisuke
    公式HP: http://www.yoshimidaisuke.com/

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