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所用時間5min
2017.10.16

歌の中のハワイ語 地名(後編)

『Aloha ʻĀina』という言葉を聞いたことがあるでしょう。
自分たちが暮らす島の地を愛すること、ハワイ文化の土台になっているのはこの考え方です。島の地を愛するハワイアンは、歌でその愛を表現してきました。ハワイ語の歌の多くが、特定の地名を出して、その地をたたえます。
どんな場所が歌われ、どんな描かれ方をしているのでしょうか?それを知るために、筆者が編纂した歌の中のハワイ語辞書シリーズ『たくさんのメレから集めた言葉たち』の300曲分の歌詞データから、主要4島の地名トップ3を割り出してご紹介します。(後編)

ハワイ島

1 ヒロ

『ヒロ(Hilo)』はハワイ島東部の市・地区の名前です。
伝説のポリネシア航海師の名前が由来とされる。この地域を統治した人気のアリイの名をとって、歌の中ではヒロ・ハナカヒという通称がよく使われます。
「称賛するのはヒロ・ハナカヒ、レフア咲くパナエワ」
(マハロ・エ・ヒロ・ハナカヒ)
「ヒロといえば有名な、カニレフアの雨」
(ヒロ・フラ)

 

2 マウナケア

『マウナケア(Mauna Kea)』とはハワイ島にあるハワイ最高峰の山の名前。雪も積もる山頂には雪の女神ポリアフが祀られています。
名前の由来は
Mauna(山)+ Kea(白)=白い(雪の)山
あるいは
Mauna(山)+ Wākea(空の父神ワケア)=ワケア神の山
だと言われます。
そんなマウナケアが歌の中でこんなふうに描かれます。
「女神は寒さの中、マウナケアのしずくの中」
(エ・イケ・イ・カ・ナニ・アオ・ポリアフ)
「私の愛するマウナケア、夜の寒気の中」
(カレオハノ)

 

3 プナ

『プナ(Puna)』とはハワイ島南東の地域、森林保護区の名前 。
キラウエア火山の麓のこのエリアは、火口から流れる溶岩によって作られた土地で、近年新しい溶岩流が集落に流れ込みニュースになった場所です。
そんなプナをハワイアンはこんなふうに歌にしてたたえます。
「キラウエアは熱い、プナは熱い、ペレの火に焼かれて」
(ホーポエ)
「私は探す愛しいあなたを、プナの香る森の茂みの中」
(イミ・アウ・イア・オエ)

 

マウイ島

1 ハレアカラ

『ハレアカラ(Haleakalā)』とはマウイ島東部にある標高3055メートルの火山の名前。ハワイ語で「太陽の家」の意味。
マウイ島の象徴であるこの山をたたえて、ハワイアンはこう歌います。
「あなたは美しい山、ハレアカラ、名高きあなたは高々とそびえる」
(ハレアカラ・フラ)
「名高き山ハレアカラ、高々と姿を現す神聖な地帯」
(レイ・アナ・オ・マウイ)

 

2 ハナ

『ハナ(Hāna)』とはマウイ島東岸の地域、湾、集落、ビーチパーク、森林保護区の名前。車でワインディングロードを何時間もドライブしてやっと辿り着く秘境として知られます。カアフマヌ王妃の出生地カウイキの丘がこの地の象徴として歌に歌われます。
「私たち二人愛する静かなハナ、ここに来て眺めよう、カウイキの丘が波しぶきに濡れるのを」
(ハナ・チャント)

 

3 ワイルク

『ワイルク(Wailuku)』とはマウイ島西部の市、川の名前。ハワイ語で「破壊の水」という意味。
観光名所である風光明媚なイアオ渓谷はワイルクの山の手にあります。
ワイルクに住んでいた人気アーティスト、ケアリイ・レイシェルのデビュー曲もワイルクを舞台にしています。
「あなたは堂々と立つ、ワイルクの美しい景色のなかに」
(カワイプナヘレ)

  • よしみ Nui だいすけ
    Daisuke Yoshimi
    担当講師

    【インタビュー動画あり】 1967年2月9日生まれ、神奈川県横須賀出身。1991 年よりハワイ在住。ハワイ大学卒業。フラ、ハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・コーディネート活動を行う。ハワイのクムフラやミュージシャンとの親交も幅広い。フラダンサーとして、メリー・モナーク、キング・カメハメハの大会出場経験あり。著書に『たくさんのメレから集めた言葉たち』シリーズ、『LIVE ALOHA~アロハに生きるハワイアンの教え』がある。近年、フラダンサーを対象とした日本での講演・セミナー活動に力を入れている。
    facebook: https://www.facebook.com/NuiDaisuke
    公式HP: http://www.yoshimidaisuke.com/

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