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2015.10.08

マウイ2「マウイ、太陽を懲らしめる」「マウイ、火の秘密をさぐる」

人間を助けるためにマウイが行った偉業が多数、伝わっています

  • 半神半人マウイが、人間や母ヒナを助ける神話がたくさん残っている。
  • ハレアカラ火山の名についても、マウイが登場する神話が関係している。

太陽と格闘するマウイの銅像(マウイ島カフルイ空港)

「マウイ、太陽を懲らしめる」
昔々の大昔。マウイがマウイ島西部に住んでいた時代には、太陽は今のようにゆっくり空を巡るのではなく、駆け足で空を渡るのが常でした。そのため昼間の時間が大変短く、人間たちは困っていました。
 

なぜなら野菜や果物を作ろうにも、日照時間が短すぎてなかなか成長しません。しかも朝、仕事を始めたと思ったらもう日が暮れる…という有り様なので、農作業でも何でも、ちっとも仕事が進まなかったからです。
 

マウイの母であるヒナも同様に、困っていました。ヒナはカパ布作りの名手。カパ布とは、ワウケの木の皮を水に浸して叩き、薄く伸ばすことで作る布地です。ヒナは作りあげたカパ布を乾かそうと毎日干すのですが、なかなか乾かず困っていたのでした。

そんな母の様子を見てマウイは、太陽に会いに出かけ、もっとゆっくり空を翔けるよう談判することにしました。そこで毎日じっくり太陽を観察し、太陽の寝床がハレアカラ火山にあることを突き止めたマウイ。
 

「太陽に話をつけに、ハレアカラ火山に出かけるよ」。そう告げると、母は警告しました。「太陽はものすごく力が強いし、乱暴だから、おまえの言うことを素直には聞かないだろう。準備を整えて出かけなければいけないよ」
 

そこでマウイは太陽を捕まえるため、縄をたくさん用意して、いよいよハレアカラ火山へ。太陽がさっさと空を渡って早々に寝床に戻ってくると、さっそく叱りつけました。
 

「どうしておまえは、あんなに早く空を翔けるのか。昼間が短すぎて、人間たちが困っているじゃないか。もっとゆっくり空を渡らないと承知しないぞ。怠け者はこうしてやる!」
 

そして太陽をロープでがんじがらめにすると、太陽は降参して叫びました。「わかった、わかった! もっとゆっくり空を渡るよ。だから離してくれ」
 

それ以降、太陽はゆっくりと空を渡るようになり、昼間の時間が今のように長くなったということです。ちなみにハレアカラとは、ハワイ語で「太陽の家」を意味します。

マウイと太陽が戦ったハレアカラ山のクレーター

【マウイ、火の秘密をさぐる】
昔、ハワイアンは火をおこす方法を知らなかったので、魚も野菜も生で食べていました。冷たい風の吹く夜も、暖をとることすらできませんでした。ところが。マウイは、兄弟たちとカヌーで釣りに出かけるたび、山の方から煙が上がるのを発見。
 

 「あの煙は、何だろう」。マウイは兄弟たちに尋ねましたが、誰も知りません。そこである日、釣りから急いで戻り煙の方向に駆けつけると、そこにいたのはアラエという鳥たち。たった今、火を消しましたという風に、足で火の燃えカスを消しているところでした。
 

それからマウイはアラエ鳥を注意深く見張っていましたが、全く火をおこす気配はありません。どうやらアラエ鳥は、火をおこすところを、マウイには見せまいとしているようでした。
 

そこでマウイは兄たちと釣りに行く代わりに山を見張り、いったいどうやってアラエ鳥が火をおこすか見てやろうと思いたちました。しかしマウイが釣りに行かない日に限って、山から煙が立ちません。
 

ところがマウイがカヌーで海に出ると、とたんに煙が上がるのでした。不思議に思って山を歩いていると、たまたまアラエ鳥の話し声が聞こえてきました。
 

「今日は焼きバナナを食べられないぞ。ヒナのすばしっこい息子が近くにいるはずだからな。火の守り神に言われたのを覚えているだろう? 人間どもに火のおこし方を教えてはいけないって」
 

それを聞いて、マウイはやっと理解しました。アラエ鳥は沖に出て行くカヌーをジッと見ていて、マウイの姿のない日には警戒し、火を使わないことにしていたのです。
 

そこでマウイはカパ布で作った人形を自分に見せかけて兄たちと一緒にカヌーに乗せ、沖へと送り出しました。すると案の定、アラエ鳥は、木の棒と棒をすり合わせ、火をおこし始めました。しかしマウイが姿を見せると、慌てて火に水をかけ、逃げようとします!
 

マウイはそのうちの一羽を捕まえ、言い渡しました。「火のおこし方を教えるまで、おまえの首を放さないぞ!」。アラエ鳥はもがいて逃げようとしましたが、ついに降参。白檀の木とハウの木をすり合わせれば火がおこることを、白状したのでした。
 

マウイはそれを人間に伝え、以来ハワイアンは、魚や野菜を調理して食べることができるようになった…ということです。

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  • 森出 じゅん
    Jun Moride
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセント(水曜日担当)も務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニーマガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)がある。 森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex

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