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2017.10.20

マンゴー

マンゴーはウルシ科の植物で、学名を""Mangifera indica"と言いますが、"Mangifera"とは "Mango(マンゴー)" と "fero(運ぶ)" の合成語です。"indica(インド産の)" ということばが示すようにインド東北部が原産で、4000年以上前から栽培されました。釈迦がマンゴーの木の下で一夜を明かしたという言い伝えから、「仏教五木」のひとつとなっています。また、釈迦の亡き後、インドを統一したアショカ王は旅人の日除けとして数千本のマンゴーの木を植えたとされます。

インドのマンゴーはその後アレキサンダー大王の遠征軍によって西欧に紹介され、広く欧州にも分布するようになりました。10世紀にはペルシアや東アフリカへ、18世紀には南米に広がりました。ハワイには1809年にメキシコ経由で、1824年には帆船カメハメハ号によってマニラからもたらされました。パパイアと同じく、スペイン人のドン・マリンが栽培を試みました。その後、1885年にジャマイカからも導入され、ハワイ農業試験場などの研究によって新品種がつくられ、今日に到ります。

赤く色づき始めたマンゴー

マンゴーは樹高30mにも達する常緑の高木で、長く垂れ下がった葉は特徴的で、遠目に簡単に識別できます。花はとても小さく、ピンク色のものが束状に、数百の単位で咲きます。多くの花を咲かせるものの、そこから結実するのは2、3個ですが、巨木になると数千の実をつけます。果実の大きさは50gほどから2kgに近いものまで数十種に及びますが、店頭に並ぶものは250g前後です。色は黄色、赤色、紫色、緑色とさまざまで、世界には500を超える栽培品種があると言われます。

マンゴーは近縁の仲間が熱帯多雨の地域にあるのに対し、乾燥した土地を好みます。とくに花をつける期間に雨が多いと、十分な収穫を望めません。ハワイでは通常、6月から9月にかけて収穫されますが、場所や天候に大きく左右されるほか、隔年で豊作を迎えることもあります。葉の長さは20cmから30cmほどで、細長い形状のものが枝先にまとまって付きます。少し赤紫色を帯びた新葉の美しさは際立ち、公園の並木として利用されることもあります。

なだらかな外観が特徴のマンゴーの木

マンゴーの樹皮から採れる樹液はゴムの木と同じように接着剤や乳化剤として使われます。同じく樹皮からは黄色の染料が採れます。マンゴーの果実にはベータカロチンをはじめ、ビタミンAや食物繊維が豊富に含まれているほか、種を煎じたものは駆虫剤や下痢止めとして使われます。良いことずくめにみえるマンゴーですが、ウルシ科の植物ですので、過敏な人はアレルギーが生じる場合もあります。果肉や果汁は皮膚につけたままにするとかぶれの原因となることもあるので注意が必要です。花はスギ花粉と同じく、まれに花粉症の原因となることもあります。

マンゴーは熟すと傷みはじめるので、追熟できるタイプのものを収穫して出荷しますが、最近では完熟タイプを直販する農園もあります。追熟タイプのものは光沢が出ていてじゅうぶんに軟らかいものは食べ頃ですが、そうでない場合は常温で完熟するまで待ちます。マンゴーは出荷直後のものであれば3日目以降が食べ頃です。その後は冷蔵しておけば、ある程度日持ちします。食べるときは平らな種をサンドイッチにするように、たてに3枚に切り分けるのがふつうですが、ハワイの子どもたちは切る前によく揉み。先端をちぎって吸い出す食べ方もします。これであれば手を汚すこともありません。

ハワイから日本に出荷されるマンゴーは、ミバエの類が発生しないように蒸熱処理を行なってから輸出されます。日本でもマンゴー栽培が試みられ、鹿児島県では1970年から、沖縄県では80年代から栽培がはじめられました。

店頭に並ぶマンゴー

植物情報

学名:Mangifera indica ウルシ科マンゴー属
ハワイ名:Manako, Meneke
英名:Mango
和名:マンゴー
原産地:インド、ビルマ(ミャンマー) 外来種
特徴:常緑の高木、20~40m。花の集合体のサイズは30~40cm。花の最盛期には木全体が薄黄色に染まる。葉(20~30cm)は長楕円形で、垂れ下がるようにつく。果実は6月から9月に収穫期となる。

 

 

※トップ画像はマンゴーの花です。

  • 近藤 純夫
    Sumio Kondo
    担当講師

    エッセイスト、翻訳家、写真家。ハワイ火山国立公園アドバイザリースタッフ。ハワイ州観光局アロハプログラム・キュレーター。ハワイ関連の著書に『フラの花100 』『新ハワイアンガーデン』(平凡社)、『歩きたくなるHawaii』(亜紀書房)、『フラの本』(講談社)、『Dear Maui マウイを巡る12の物語』(共著/ Little Gift Books)、訳書に『イザベラ・バードのハワイ紀行』(平凡社)など。
    フェイスブック・サイト https://www.facebook.com/kondo.sumio
     

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