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ハワイの歌9『カラカウア王の歌』
カラカウア王をたたえる歌
1年という短い在位の後病死したルナリロ王に代わって、選挙で7代国王に選ばれたのはカラカウア(David Laʻamea Kamananakapu Mahinulani Naloiaehuokalani Lumialani Kalākaua)でした。1874年から17年間国王として君臨したカラカウア王の文化的偉業最大のもの、それは「フラの復活」でした。
19世紀にフラを消滅の危機から救ったカラカウア王は、現代のハワイアンにとってのヒーロー的存在です。ハワイ文化の象徴としてフラが見直された現代、ハワイの人々は「メリー・モナーク」という彼のニックネームに由来するフラ競技会に胸を熱くします。それがハワイの伝統文化「フラ」の祭典であるのと同時に、「ハワイアンの誇り」を啓蒙する役割も担っているからです。
そんなカラカウア王をたたえる古いチャントが存在します。
『カヴィカ Kāwika』です。
このメレがどのように伝えられているか、そしてどんな内容なのかについてはこちらでご紹介しています。
カラカウアをたたえるメレには、ほかに『ヘエイア Heʻeia』『コー・マイ・ホーエウエウ Kō Maʻi Hōʻeuʻeu』『イア・オエ・エ・カ・ラー Iā ʻOe E Ka Lā』などがあります。どれも古いチャントを原曲とするフラソングとして歌い踊られ愛されていますが、ここではあえて現代曲を一曲ご紹介します。エイミー・ハナイアリイ・ギリオムが2001年に発表した『アロハ・ノー・カラカウア Aloha Nō Kalākaua』です。
エイミー・ハナイアリイ・ギリオムによる歌詞の前半はこんな内容です。
I aloha ʻia, e ka mōʻī
Hanohano nō ia
E ka lehulehu o Hawaiʻi
Aloha nō Kalākaua
Kauoha ʻo ia, e ke aliʻi
I ka hoʻihoʻi o ka hula
A ʻo ka hula no ka ʻōiwi
Konikoni pau ʻole i ka puʻuwai
愛される国王
誉れ高く
ハワイの人民に
カラカウアにアロハ
王は指揮する
フラの復活
先住民の踊り
鳴り続ける心臓の鼓動
Aloha Nō Kalākaua
歌詞:Amy Hānalaliʻi Gilliom, Lilikalā Kameʻelehiwa
訳詞:よしみだいすけ
"Hula is the language of the heart and therefore the heartbeat of the Hawaiian people."
「フラは心の言葉、すなわちハワイ人民の心臓の鼓動そのものなのです。」
という言葉を残したカラカウア王は、国王の座を妹リリウオカラニに託し、1891年1月20日、療養先のサンフランシスコで帰らぬ人となったのです。
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よしみ Nui だいすけDaisuke Yoshimi担当講師
【インタビュー動画あり】 1967年2月9日生まれ、神奈川県横須賀出身。1991 年よりハワイ在住。ハワイ大学卒業。フラ、ハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・コーディネート活動を行う。ハワイのクムフラやミュージシャンとの親交も幅広い。フラダンサーとして、メリー・モナーク、キング・カメハメハの大会出場経験あり。著書に『たくさんのメレから集めた言葉たち』シリーズ、『LIVE ALOHA~アロハに生きるハワイアンの教え』がある。近年、フラダンサーを対象とした日本での講演・セミナー活動に力を入れている。
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公式HP: http://www.yoshimidaisuke.com/