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所用時間5min
2015.06.23

地形の特徴

火山活動が造り変える島の形

マグマの上昇と溶岩の出現

ハワイの島々は誕生以来、大きくその形を変えてきました。「島の誕生とその一生」の章でもお話ししたように、ハワイ諸島は太平洋プレートに乗って北西へと移動を続けています。一方、地下にあるマグマ溜まりからは地球上の決まった位置に溶岩を噴き出します。その真上にある島は火山活動を通じて溶岩を堆積し、島を拡大させていきます。しかし、島がマグマ溜まりから遠ざかると溶岩の供給は断たれ、浸食が成長に打ち克ちます。このように、島は火山活動とその後の浸食によって、さまざまに形を変えて今日に至ります。


島の形状にはさらにもうひとつの要因が加わります。地球の平均気温が今日より大きく下回っていた氷河期には氷結や降雪によって大量の水分が地上に出現した結果、海面が下がって多くの島が出現しました。ハワイ諸島においてもマウイ郡を構成するマウイ島、モロカイ島、ラナイ島、カホオラヴェ島は地続きとなり、マウイ・ヌイ(大マウイ)と呼ばれる大きな島となりました。

4つの島が合体した「大マウイ」

後続噴火と島の変形

活発な火山活動によって海上に島が出現すると、マグマの噴き出し口であるカルデラを中心に裾野が広がり、島が形成されます。噴き出す熔岩は、場所と時間を変えて活動を続けますが、噴出の規模には大小があり、大規模な噴火は小規模な噴火を呑みこんだり、あるいは側方噴火と言って、鎖状に小噴火口が連なったりします。たとえばハワイ島のキラウエアにはキラウエア・カルデラがあり、そこから東方面にいくつものクレーターが連なります。上空から見ると鎖が連なっているように見えることから、チェーン・オブ・クレーターズと呼ばれます。


噴火によって出現した火山の主要クレーターはやがて鎮静化し、代わって別の場所に新たな噴火口を出現させます。ハワイ島を例に挙げるなら、コハラ山系やマウナ・ケア、マウナ・ロア、フアラライ山、キラウエア山がそれらに該当します。なかでもマウナ・ケアは活動末期に多くの側方噴火が起こり、今日、噴石丘という形で数多く残されています。


火山島は当初、比較的単純な形状をしていますが、複数の場所で噴火活動が続くと、次第に複雑な形状に変化します。次の2つの図はオアフ島の噴火活動を示したもので、上の図ではコオラウ山系の東端に大きな火山があるだけです。しかし下の図を見るとわかるように、その後カネオヘやカイルアを含む巨大なカルデラが出現し、さらに浸食が進んで、今日見られるように北半分が消滅してしまいました。ヌウアヌ・パリやホオマルヒア植物園の背後に立ち並ぶ崖は、かつてここに存在した巨大火山の跡なのです。

オアフ島の地形変動

風雨と海食による浸食


ハワイ諸島は地球上の他の島々と同じく、風雨と波浪による浸食を受けます。どれほど浸食のスピードが速くても、地下のマグマ溜まりから溶岩を供給されている間は、島は成長を続けますが、供給を断たれると縮小に転じます。波が岩を削り取る力は巨大で、頑強に見える島も徐々に海岸から浸食されていきます。


風雨による侵食も強大です。ラナイ島やカホオラヴェ島、ニイハウ島では手前の島にそびえ立つ高山の影響で降雨が少ない上に、強風が吹きすさびます。その結果、次々と表土をはぎ取られ、海上に持ち去られてしまいます。風雨による浸食のスピードは、波浪による侵食以上に速く進むのです。このように、ハワイの島々はつねに地形を変えていきます。

かつてのカルデラの跡を示すヌウアヌ・パリ

  • 近藤 純夫
    Sumio Kondo
    担当講師

    エッセイスト、翻訳家。写真家。 ハワイ火山国立公園アドバイザリースタッフ。フラ・ミュージアム(スパ・リゾート・ハワイアンズ)アドバイザー。アロハ・カワラ版(パシフィック・リゾート)アドバイザー。国内外で各種のカルチャー講座を主催。ハワイ関連の著書に『フラの花100 』(平凡社)、『歩きたくなるHawaii』(亜紀書房)、『アロハ検定オフィシャル・ブック』(共著・ダイヤモンド社)、『フラの本』(講談社)、『ハワイアンガーデン』、『ハワイ・ブック』、『ハワイ・トレッキング』、『ハワイ諸島の自然』(以上、平凡社)、『おもしろハワイ学』(JTB)、『裏ハワイ読本』(共著、宝島社)など。訳書に『イザベラ・バードのハワイ紀行』(平凡社)、『ナショナル・ジオグラフィック 荒ぶる地球』(岩波書店)など。フェイスブックで毎日ハワイの小咄と写真を発信している。 「Facebook」https://www.facebook.com/kondo.sumio

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