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所用時間5min
2015.04.30

ハワイ・リージョナル・キュイジーヌ

シェフや農業従事者に誇りと名声を与えたハワイの食の革命

  • 1991年、12人のシェフがハワイで起こした食の革命がハワイ・リージョナル・キュイジーヌ
  • ハワイに根付いた多民族の料理と西洋のキュイジーヌを融合させた画期的な料理が人気を博した
  • 地産地消のコンセプトもハワイ・リージョナル・キュイジーヌにより社会に浸透

Photo Courtesy of HTA, John DeMello

各国からの移民が集まるハワイ。ハワイアンフードに加えアメリカ料理や和食、中国料理、フィリピン料理など、各民族の料理が家庭の味として浸透しています。
 

1991年のこと。そんな多彩な食の背景を反映し、ハワイ独自のキュイジーヌ(料理、料理法)を世界に紹介しようと、ロイ・ヤマグチ、アラン・ウォング、ピーター・メリマン、ジョージ・マブロ、サム・チョイ、フィリップ・パドヴァニら、12人の若いシェフが立ち上がりました。フランス料理やイタリア料理などのレストランをハワイ各島で展開していた著名シェフ達が団結し、新たなキュイジーヌを提唱したのです。

シェフ達は伝統的なアメリカ&ヨーロッパ料理に味噌や醤油、ワサビ、オイスターソースなどの調味料を使ったり、逆に天ぷらやワンタン、ポキなどのアジアやハワイの料理を洋風にアレンジするなどして、各国の食を融合。海苔やふりかけ、柚子、キムチといったアジアの食材も、今ではハワイのレストランで一般的に使われています。
 

また海を越えて運ばれてくる冷凍物や缶詰ではなく、地の魚や野菜が多用されている点も、ハワイ・リージョナル・キュイジーヌの大きな特徴です。地産地消を強調し、ハワイ島産のビーフ、ハマクア産のトマトやキノコ、カウアイ島産の海老、マウイ島クラの苺などハワイ産の食材を産地と一緒にメニューに記載する試みも、ハワイでは斬新なアイディアでした。
 

新鮮な食材で創る、意外性に富んだこれらの料理は世界各国からの観光客の間でも高く評価され、ハワイの食のイメージを大きく変えることに。ハワイ全般のシェフに名声と誇りをもたらし、レストラン産業の発展に大きく貢献する結果となりました。

ハワイ・リージョナル・キュイジーヌ流の美しいポキ丼
(Photo Courtesy of HTA, John DeMello)

ハワイ・リージョナル・キュイジーヌがもたらした変革は、しかし、料理業界内に留まりません。著名シェフ達が地元の産物にスポットライトを当てたお陰で、各島の農場がグルメ野菜の栽培に力を入れ、特産物が多く誕生するなど、農業においても嬉しい変化が生まれたのです。

さらには消費者の意識にも、ハワイ・リージョナル・キュイジーヌは影響を及ぼしています。地産地消のコンセプトはレストランを飛び出し、一般家庭にも広く浸透。今日、各地で毎日のようにファーマーズマーケットが開かれ、一般の人々が地元の農業従事者を支援しよう、ハワイ産の農産物をもっと食べようという気運が生まれた遠因も、ハワイ・リージョナル・キュイジーヌにあるといっても過言ではありません。
 

以上のようにハワイの食事情を革新的に向上させ、さらにはレストラン産業と農業従事者や、農業従事者と消費者間の橋渡し役も果たしたハワイ・リージョナル・キュイジーヌ。その斬新なメニューの数々は、今では前述の12人のレストランに限らずハワイの多くの店で味わうことができます。ハワイの自然と文化、誇りを反映したオリジナリティ溢れる料理を、ぜひ味わってみましょう。

  • 森出 じゅん
    Jun Moride
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセント(水曜日担当)も務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニー・マガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社刊)がある。
    森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex

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