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所用時間15min
2020.10.02

カピオラニ王妃が残した歌

ここがポイント

カピオラニ王妃は、夫であるカラカウア王に捧げた名曲『Ka Ipo Lei Manu』を書いた。

草花を集め紐でつないだり編んだりしてつくるのがレイ。レイを作る人をハク・レイと呼ぶ。同様に、言葉を選び集めてメレ(うた)を紡ぐ人はハク・メレ。
ハワイでは、ハク・メレによって多くのメレが王族のために紡がれ、歌い踊られてきた。王族自身がすぐれたハク・メレだった例も多い。
ハワイ王国の王族たちのなかから、後世に残るメレを紡いだ人とその歌の内容を紹介する。

カピオラニ王妃が残した歌

カラカウア王が妻であるカピオラニ王妃に贈った歌についてはここに書いた。
カラカウア王が残した歌

ハク・メレ(ソングライター)として優れていたカラカウア王だが、妻のカピオラニ王妃も素晴らしい名曲を残している。
夫であるカラカウア王に捧げた歌『Ka Ipo Lei Manu』(または『Ipo Lei Manu』)だ。
ハワイ王国の歴史と関わる切ない背景もあって、この歌は特にハワイの人々に愛され歌い踊り継がれている。



カピオラニ王妃がこの歌を作ったのは1890年11月。カラカウア王がサンフランシスコに向けて船出した直後とされる。その時の曲名は『Kalani Kaulilua』だったらしい。
カラカウア王はカピオラニ王妃が書いたこの歌を聴くことなく、旅先で帰らぬ人となってしまった。

He manaʻo he aloha
No ka ipo lei manu

He manu kuʻu hoa
Noho mai i ka nahele

ʻIʻiwi o uka
Pōlena i ka ua

Haʻina ka puana
No kalani hele loa

(歌詞:Queen Kapiʻolani)

この想い、アロハは
鳥のレイ(愛しい人)へ

私のパートナーは鳥
森の中にいる

山のイイヴィ鳥
雨の中黄色い姿

歌に伝える
行ってしまった王

(訳詞:よしみだいすけ)


8行4バースで演奏されるこの歌が、数多くのアーティストによってレコーディングされてきた。
実際には26行13バースまであり、その中でカピオラニ王妃はパートナーを鳥にたとえ、カウアイ島の古い地名とそこで見られる植物とともに描いた。
一般的に歌われる8行は、最初の6行と最後の2行を抜粋したもの。

  • よしみ Nui だいすけ
    Daisuke Yoshimi
    担当講師

    【インタビュー動画あり】 1967年2月9日生まれ、神奈川県横須賀出身。1991 年よりハワイ在住。ハワイ大学卒業。フラ、ハワイ音楽に傾倒するハワイ・スペシャリストとして、ハワイを拠点に執筆・コーディネート活動を行う。ハワイのクムフラやミュージシャンとの親交も幅広い。フラダンサーとして、メリー・モナーク、キング・カメハメハの大会出場経験あり。著書に『たくさんのメレから集めた言葉たち』シリーズ、『LIVE ALOHA~アロハに生きるハワイアンの教え』がある。近年、フラダンサーを対象とした日本での講演・セミナー活動に力を入れている。
    facebook: https://www.facebook.com/NuiDaisuke
    公式HP: http://www.yoshimidaisuke.com/

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