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ハワイ州が取り組む環境保全活動~海洋生物との共存~

ハワイには、貴重な生物がたくさん生息しています。米国の調査(2015年)によると、そのうち絶滅危惧種といわれる動植物がハワイに503種類も生息しているといわれています。動植物にとっても素晴らしい楽園であるハワイを未来へと継承していくため、Malama Hawaii (ハワイを思いやる気持ち)と共に、一定の距離を保ちながらハワイの海洋生物を見守るようハワイ州では呼びかけています。
ハワイで出会える海洋生物
ハワイでは、ビーチを歩いたり、海で遊んだりしているときに、海洋生物に遭遇する機会も多くあります。自然の中でありのままに生活している彼らは、とてもデリケートです。ハワイ州法や連邦法のもと、ウミガメ、イルカ、クジラ、モンクシールを保護しており、違反した場合には罰金が科されます。
海洋生物と出会ったら、どうしたらいい?
ハワイでは、海洋生物の推奨距離が定められています。ビーチでゆっくり睡眠中のウミガメやモンクシール、そして、広い海を悠々と泳ぐイルカやクジラたち。私たちから近づいたり、触ったり、えさを与えたりはせず、推奨距離を守ってくださいね。
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ウミガメとの推奨距離は最低3メートル
ウミガメは、ハワイ語で「ホヌ」。ハワイではとても神聖な生き物とされ、幸運を運んでくる「海の守り神」ともいわれています。
休息スポットとしてビーチで休んでいる姿や、海中で泳いでいる姿など、ハワイではよく見られる光景ですね。ビーチには、注意書きのサインがあることも。ウミガメとの推奨距離は最低3メートル以上です。
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モンクシールとの推奨距離は最低15メートル

ハワイの固有種、ハワイアンモンクシール。モンクシールは個体数が激減している絶滅危惧種です。アメリカ海洋大気庁(NOAA)の発表によると、かつてハワイ諸島に15,000頭いたといわれるモンクシールですが、最新の統計では、ハワイの主要な島々にはわずか300頭といわれています。とても愛らしい姿に癒されますが、最低15メートル以上の距離を保って見守ってくださいね。
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イルカとの推奨距離は最低45メートル
ハワイのイルカはとてもフレンドリーで、皆さんのボートの近くまであいさつにきてくれることも。ですが、急に近づいたり、大きな声をたてたりすると、彼らの生活や、安全を妨害することにもなりかねません。自由に泳ぐイルカたちのありのままの姿を鑑賞して楽しんでください。
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クジラとの推奨距離は最低90メートル
雄大でダイナミックなクジラ。冬の時期になると、ザトウクジラが子育てのために大海原を泳ぎ、温かいハワイの海へとやってきます。時期限定のホエールウォッチングは大人気で、クジラの親子の姿がみれることもあるかも…!クジラとの推奨距離は最低90メートルです。
推奨距離を守ることが、保護へも繋がります
山と海に囲まれた美しい島々、日本とハワイ。
厳しい自然から育まれた自然信仰、先祖から継承してきた伝統文化には多くの共通点があり、 歴史的にも深い関係を持つ日本とハワイの人々は、繋がりと絆を大切にしてきました。
ハワイには、「ポノトラベラー」という素敵な言葉があります。
旅行先の住民が大切に守っている自然環境や文化、習慣に敬意を払い、正しい行動を取ることができる旅行者のことをポノトラベラーと呼びます。
ポノとはハワイ語で善良、道徳的な正しさ、幸福、同義をわきまえたという意味です。
ハワイを大切に思ってくださるポノトラベラーの皆さま、これからもハワイがハワイであり続けるよう応援いただけますようお願いします。
ハワイ州レスポンシブル・ツーリズム情報サイト(マラマハワイ):https://www.allhawaii.jp/malamahawaii/
