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2016.11.30

地質-ハワイ諸島の誕生

地質ーハワイ諸島の誕生

ハワイ諸島は地底のマグマが上昇して出現しました。地表に噴出したマグマは溶岩と呼ばれます。海底に出現した溶岩は堆積を繰り返しながら次第に隆起し、やがて海面に顔を出します。これが島の誕生です。その後もマグマの供給を受けながら島は成長を続け、今日のハワイ島のように巨大な島を出現させました。島を形成する岩石のほとんどは玄武岩質の溶岩です。火山岩には半分以上の割合でガラス分(二酸化ケイ素)が含まれていますが、玄武岩はその割合が他の火山岩に較べて少なく、高温で粘性が低いという特徴があります。

玄武岩に含まれる二酸化ケイ素の含有量が少ないほど熔岩の粘性は低くなり、サラサラとした性質になります。流れ出した溶岩は盛り上がることなく四方へ流れ下り、その結果、頂上がなだらかで広い山麓を持つ火山(楯状火山)が誕生します。マウナ・ロアはその典型的な火山と言えるでしょう。同じ玄武岩でも二酸化ケイ素の含有量が幾分多い富士山は縦方向の膨らみが大きな火山(積層火山)となり、浅間山のような安山岩質ではさらに盛り上がりが増え、昭和新山のような流紋岩質の溶岩は強い粘性があるためほとんど横に流れることなく、爆発的噴火を伴いながら上に積み上がります。

マグマが噴出する際は多量の火山ガスが噴出します。その多くは水蒸気と二酸化炭素ですが、その他に硫化水素や二酸化硫黄、塩化水素、メタンなどもあります。トップ画像に見られる黄色の物質は硫黄化合物です。また、中心にあるオレンジ色の塊は、地底から上昇したマグマです。プウオーオーの噴出口には猛烈な勢いでマグマが上昇し、溶岩と名前を変えて地表を流れ下ります。ただし、噴出する溶岩は、地表を流れる過程で温度や流量、速度、成分の変化により、さまざまなに変化します。また、滑らかな溶岩(パホエホエ溶岩)であるか、ザラザラとした溶岩(アア溶岩)であるかは、噴出する直前に決まります。

キラウエア南麓にあるプウオーオー噴石丘から流れ出した溶岩

地表を流れ出した溶岩は温度と圧力によって粘性に大きな違いが生じます。そのため、流れ出すとすぐに外側が固化し、その内側を後続の溶岩が高温のまま流れ続けます。ときおり内圧によって「殻」が破れて溢れかえったり、天井部に穴を開けたりしますが、大半は地底にトンネルを作りながら海抜の低い方に流れ下ります。多くは途中で冷え固まりますが、噴出量が多く、障害の少ない斜面を下る溶岩は海岸まで達します。内部に空洞を造り、高温の炉のようなものができると、後続の溶岩はその中を通り、一気に海に押し出されます。

海へ流れ落ちた溶岩の量が多いときは枕状溶岩となり、少量の場合は内部の水蒸気を吐き出しながら、火山礫となって沈殿します。また、海に達することなく滞留する溶岩の一部はメタンガスを発生させ、小爆発を起こすこともあります。

ハワイ島では火山活動に伴う地震が発生することがあります。1918年から2016年の約100年間に起きた火山性地震のうち、最大のものはキラウエア南麓を震源とするものです。1975年に起きたこの地震のマグニチュードは7.2でした。2006年にもノース・コナでマグニチュード6.7の地震が起きています。ただし、日本列島のように、プレートの潜り込みによって蓄えられる巨大な歪みとは異なり、これ以上の大きな地震は発生しないとされています。

グリーンサンドビーチに広がる橄欖石の結晶

ハワイ諸島は溶岩でできていますが、カウアイ島やオアフ島のような古い島には植物が繁殖し、その植物の堆積によって土壌が出現しました。この他に、溶岩が浸食されてできた黒砂や、珊瑚が堆積して出現した石灰岩地帯もあります。土壌の多くはそれらが混ざり合った状態ですが、一部に単一の岩石や土壌も分布します。

ハワイ島を例に上げると、島の大半は火山制度上ですが、サウスポイントのグリーンサンドでは玄武岩に含まれる橄欖石の結晶が堆積して緑色をしており、プナルウビーチでは溶岩が砕けた黒砂が広がります。また、西海岸のビーチではサンゴが造り出した白砂のビーチが連なり、パーカー牧場やコハラ牧場では鉄分によって酸化した土壌が広がります。


※トップ画像はハワイ島キラウエアのプウオーオー噴石丘の噴火口です。

カウアイ・コーヒー・ファームの赤土

  • 近藤 純夫
    Sumio Kondo
    担当講師

    エッセイスト、翻訳家。写真家。 ハワイ火山国立公園アドバイザリースタッフ。フラ・ミュージアム(スパ・リゾート・ハワイアンズ)アドバイザー。アロハ・カワラ版(パシフィック・リゾート)アドバイザー。国内外で各種のカルチャー講座を主催。ハワイ関連の著書に『フラの花100 』(平凡社)、『歩きたくなるHawaii』(亜紀書房)、『アロハ検定オフィシャル・ブック』(共著・ダイヤモンド社)、『フラの本』(講談社)、『ハワイアンガーデン』、『ハワイ・ブック』、『ハワイ・トレッキング』、『ハワイ諸島の自然』(以上、平凡社)、『おもしろハワイ学』(JTB)、『裏ハワイ読本』(共著、宝島社)など。訳書に『イザベラ・バードのハワイ紀行』(平凡社)、『ナショナル・ジオグラフィック 荒ぶる地球』(岩波書店)など。フェイスブックで毎日ハワイの小咄と写真を発信している。 「Facebook」https://www.facebook.com/kondo.sumio

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