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所用時間5min
2017.11.10

虹の話

虹はどのように発生するのでしょうか? ダブルレインボーをイメージするとわかるように虹には最初に現れる虹と、それを反射して映し出す虹とがあります。前者は主虹、後者を副虹と言います。主虹はひとつですが、副虹は無数にあります。ただし人間の眼で捉えられるのはせいぜいトリプルレインボーまで。つまり、主虹と副虹が2つです。主虹に対して副虹の明瞭度がかなり落ちるように、副虹の副虹は、最初の副虹の反射なので、この時点で人間の眼にはほとんど確認できないほど淡いものになります。しかし、物理的には反射は繰り返されています。

虹は、太陽を背にしたときに出現します。これを対日点と言います。背中側の太陽と人の頭を結ぶ、半径約42度の延長線に出現します。では、見通しがよければどこでも完全な虹を見られるのかと言えばそうではありません。虹は大気中の水滴に光があたったとき、プリズム現象で七色のスペクトルに分解され、それを人間が見ます。つまり、足下から上空まで均等に水滴が広がっていないと、完全なアーチ型を見ることはできません。

低く架かる虹

ではハワイの虹が鮮やかな色合いになるのはなぜでしょう? ハワイではときとして色のひとつひとつをすべて区別できるほど鮮やかな虹が出現します。外側から赤、オレンジ、黄色、緑、青、藍色、紫がはっきり浮かび上がる確率が高いように感じます。色の鮮やかさは水滴の大きさに比例します。水滴が大きなほど色は分離しやすくなるので、それぞれの色が鮮やかになります。反対に水滴が小さくなると、光は水滴のなかで十分に色を分岐させることができず、色の要素が重なりあってしまいます。光が互いに重なり合うと白色に近づき、見た目に淡い色になります。

夜に出る虹(ナイト・レインボー)は、月光に寄って造られます。太陽光よりはるかに暗いため、虹はあまり色を持つことができません。しかしおぼろげな光は幻想的に見えます。虹はハワイ語で「アオ・アクア」と呼ばれますが、これには「神聖な雲」という意味があります。大きく鮮やかなハワイの虹は、どことなく神々しさを感じさせます。

レインボー・フォールズに架かる虹

ハワイの神話に数多く登場するヒナという女神に、虹が登場する物語があります。ハワイ島のヒロに流れるワイルク川には、レインボー・フォールズという滝が架かり、そこにヒナは住んでいるとされます。ヒナはアイカナカという人間と結婚して暮らしていましたが、夫は働かずに文句を言うだけでした。すっかりそんな生活に嫌気が差していたヒナは、あるとき夜に架かる虹(ナイト・レインボー)に出会います。人間は虹を登れませんが、ヒナは神の一員なので可能でした。彼女は虹を登り、自分が生まれ育った月へ戻ろうとします。しかし傾きが険しすぎてぎて登ることができません。ヒナはもっと緩やかな傾斜の虹が出現するのを待ち続けました。そしてついにある日、理想のナイト・レインボーが出現します。彼女は密かに家を出て虹の基部へ行き、少しずつ登りはじめます。ところがそれに気づいたアイカナカが追ってきてヒナの足首を捕まえました。彼女は必死でその手を振りほどき、ついに月にたどり着きます。彼女は末永く幸せに暮らしました。満月のときには、夫から逃げるときに痛めた足をさするヒナの姿が見えると言います。

ダブル・レインボー

虹のウォッチング・ポイントは雨と晴が交互に訪れるような場所です。日に一度は到来する通り雨の後であればワイキキでもよく見ることができます。オアフ島ではワヒアワのパイナップル畑周辺、ハワイ島ではキラウエア周辺、カウアイ島ではカララウ展望台などが良いでしょう。

ナイト・レインボー

 

※トップ画像はキラウエア・カルデラに架かる虹です。

  • 近藤 純夫
    Sumio Kondo
    担当講師

    エッセイスト、翻訳家、写真家。ハワイ火山国立公園アドバイザリースタッフ。ハワイ州観光局アロハプログラム・キュレーター。ハワイ関連の著書に『フラの花100 』『新ハワイアンガーデン』(平凡社)、『歩きたくなるHawaii』(亜紀書房)、『フラの本』(講談社)、『Dear Maui マウイを巡る12の物語』(共著/ Little Gift Books)、訳書に『イザベラ・バードのハワイ紀行』(平凡社)など。
    フェイスブック・サイト https://www.facebook.com/kondo.sumio
     

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