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所用時間5min
2014.09.22

イオラニ宮殿

ホノルルに建つカラカウア王朝唯一の宮殿

ハワイ王朝第七代目、カラカウア王が1882年に建てたホノルルにある当時のモダン・テクノロジーを駆使したハワイ王朝栄華の象徴である公邸です。欧州の建築様式で作られ、 宮殿内には、水洗トイレ、水と湯の出るシャワー、電話、ハワイでは初めて、またホワイトハウスよりいち早く、電灯が備え付けられました。大広間には大きなコア製の階段が広がり、ハワイ王朝第一代目からの肖像画、世界各国や王室などから贈られた調度品がたくさん展示してあります。

イオラニ宮殿

カラカウア王朝はカラカウア王、そして第八代目のリリウオカラニ女王と2代で終わってしまい、ハワイ王朝は滅びてしまいました。
その後ハワイは、1959年アメリカ合衆国第50番目の州となり、1969年、新政庁の完成と同時に、イオラニ宮殿復興が始まりました。約10年の修復工事を経て、現在のイオラニ宮殿はハワイ王朝大切な歴史的建物として復活しています。
今では日本語ツアーも月曜日から土曜日まで毎日午前11時30分から催行されています。

 

“Ua mau ke ea o ka aina i ka pono”「大地の生命は正義によって守られる」というハワイ州のモットーが刻まれているコート・オブ・アームはカメハメハ3世が作りました。このエンブレムは宮殿のゲートの門、ラナイの天井、大広間のガラスにもエッチングされています。

 

宮殿1階には大広間、青の間、正餐の間、王座の間があります。
青の間は謁見室や正餐の前のティールームとしても使われ、大きなカラカウア王とリリウオカラニ女王の肖像画が飾ってあります。大きなコアのポケットドアを開けると正餐の間が広がります。

 

正餐の間は、ウエスタンスタイルの食事でカラカウア王が世界からのゲストを招待した大切な部屋です。王の椅子はゲストの近くに位置し、当時の世界のあらゆる情報を耳にしました。

 

王座の間がイオラニ宮殿では一番の栄華を誇った部屋です。正面の王座は当時のままのオリジナル。王座の間にはプーロウロウというタブースティックが置かれています。王の戴冠式にキャプテン・アフルレッド・キップが北極海で捕獲した一角鯨の貴重な牙を贈りタブースティックにしたと言われています。プーロウロウはカメハメハ王朝より王家のシンボルとして使われ、王のいる所は神聖な場所とされていました。
舞踏会のダンスは正装したカラカウア王とカピオラニ王妃両陛下のダンスに続き、王家の人々、ゲストと続き夜中まで続けられました。王座の間のラナイでは、ロイヤル・ハワイアン・バンドが生演奏を奏で、多い時は400~500人のゲストが来られ、ハワイ王朝最も繁栄した時代となっていました。


壁にはアジア、ヨーロッパなど様々な王室から贈られた勲章が飾られ,
天井からはオリジナルのシャンデリアが下げられています。モンステラ柄のカーペットはレプリカですが、当時の一部がある博物館から見つかり、それをもとにオリジナルに忠実にパターンをおこし、現在のカーペットが作られました。

王座の間

公的なビジネスや舞踏会を行った1階とプライベートな空間の2階を分けているのがコア(ハワイ固有の木)の階段です。踏み板の部分のコアは当時そのままのオリジナルです。飾りの部分にはハワイ固有のカマニやクルミの木も使われています。コア材が使われた現存している階段として、ハワイでもとても貴重な物となっています。

大広間のコア材の階段

2階の部分にはカラカウア王の寝室、王の執務室、音楽部屋、幽閉の間、カピオラニ女王の寝室などがあります。

カラカウア王の寝室には白黒写真により、当時の室内が紹介されています。復興後に集められたオリジナルの調度品などはオークッションや、寄付等で集められた物がほとんどです。王のベッドに掛かるキルトは1886年のカラカウア王の50歳の誕生日にプレゼントされたレプリカです。オリジナルのキルトは100年以上経ってしまい、展示できる状態ではないため、マスター・キルター、マーゴ・モーガンさんとスタッフとでオリジナルのキルトに完璧に近いキルトを作り、2009年からベッドの上に展示されています。

王の寝室のベッド

王の執務室には王が集めた本の一部や、国際的に交流のあったイギリスの首相などの肖像画、日本へ外交した時の写真なども展示してあります。王が設置した電話のレプリカも飾っています。王は4つもの電話を所有しました。2つ目は廊下を挟んでのカピオラニ王妃の寝室、3つ目は地下の執事の部屋、そして4つ目はホノルルハーバーの近くにあった王のボートハウスにありました。


音楽室は金色で統一され、音楽一家だったカラカウア家を物語っています。部屋の中心には戴冠式のドレスを身にまとったカピオラニ王妃の肖像画が掛けられています。カラカウア王はハワイ州歌の「ハワイ・ポノイ」の作詞者として、またリリウオカラニ女王は「アロハ・オエ」の作者として有名です。
 

1893年ハワイ王国崩壊後、カラカウア王朝も滅びました。さらに2年後、王政支持派のクーデターが起き、その首謀者と疑われたリリウオカラニ女王は逮捕されてしまいました。事実は女王本人の謀反ではありませんでしたが、血を流す戦いを避ける為、女王は自ら逮捕され、かつて栄華を極めた王座の間で裁判を受け、反乱に加担した罪で5年間の重労働と5000ドルの罰金が課せられ、宮殿内2階に幽閉されました。


幽閉の間には簡素な家具と “The Queen's Quilt”と呼ばれるクレイジーキルトが展示されています。キルトは女王本人が幽閉中に作リ始め、女王自身のドレスのサテンやシルクのドレスの一部やヘッドバンドなどが使われています。クレイジーキルトと呼ばれる手法は、言葉通りクレイジーに色々な生地を繋ぎ合わせ、かざり刺繍で継ぎ目を縫う、当時アメリカ本土で流行った手法です。中心のブロックには女王の誕生日や幽閉された日などが刺繍されています。

幽閉の間のクィーンズ・キルト

カピオラニ王妃の寝室には、王妃オリジナルのベッド、王妃のモットーである「Kulia Ika Nuu」(最善を尽くす)と刻まれたサテンシルクのキルトが掛けられています。また1887年、イギリス、ビクトリア女王の即位50周年の式典に参加されたカピオラニ王妃と当時のリリウオカラニ王女の写真が飾られています。カピオラニ王妃はハワイの人々の健康を願い、カピオラニ・メディカル・センター(病院)の創設をしています。

宮殿内はツアーに参加した人のみ入れます。地下のギャラリーには勲章、キッチン、執事の部屋なども見学できるようになっています。

 

 

Iolani Palace
364 South King Street
Honolulu HI  96813
Tel:  808-522-0832
料金: 見学ツアー(日本語)にはガイドによるツアーとオーディオによるツアーと2種類あります。

  • ガイドツアー
    大人一人$27、小人一人(5歳~12歳)$6(4歳以下は入場不可)
    時間:月、火、水、金曜日11時30分から約1時間。
     
  • オーディオツアー(日本語)
    大人一人$20、小人一人(5歳~12歳)$6
    時間:月曜日9時~16時、火曜~木曜日10時30分~16時、金曜、土曜日は12時~16時。10分間隔で催行。


※こちらは2019年5月時点の情報となります。
※時間、料金等の詳細はイオラニ宮殿のホームページでご確認の上ご参加ください。

イオラニ宮殿ホームページはこちらから

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  • 藤原 小百合 アン
    Anne Sayuri Fujiwara
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。

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