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所用時間5min
2014.11.16

カロコ・ホノコハウ国立公園

古代のハワイ人が住んでいたアフプアアとフィッシュポンドが残る遺跡

1978年、カロコ・ ホノコハウの2つの歴史的なハワイの考古学遺跡で、文化的に重要なアフプアアを保護するためにカロコ・ホノコハウ国立公園が設立されました。アフプアアとは、昔、ハワイアンが区切っていた、生活の場所です。山から、海まで、必ず川が通り、海に向かって広くなった三角形の場所で、タロなどの水田を作り、その場所で生活のすべてを自給自足していました。考古学的にとても重要な場所であり平和な田園風景となっています。

 

アフプアアでは、一番地位の高いアリイ(チーフ)を始め、人々には階級制度がありました。また、カプー制度という厳しい法律元で生活していました。カプー制度もカメハメハ2世の頃になると、カメハメハ1世の妻の一人であったカアフマヌ王妃などにより、廃止されたと言われます。

 

また、この国立公園内にヘイアウ(古代ハワイで祭事が執り行われた場所)、キイ・ポハク(古代ハワイの象形文字—ペトログリフ)、フィッシュポンド、フィッシュトラップ、アンキアライン・プールなどがあります。すべてトレイルでつながっているため、ハイキングコースとして楽しむことができます。

カロコ・ホノコハウ国立公園の入り口のサイン

ハイウェイから入ると、大きな駐車場があり、すぐにビジター・センターがあります。ここでは公園内の地図などが描かれたパンフレットを無料でもらえます。その中には英語ですが、昔のハワイアンの暮らしぶりや、園内の説明などが書かれています。トレッキングができるトレイルは舗装されて部分とそうでない部分がありますので、運動靴などを着用しましょう。

 

ビジター・センターからはフアラライ山がよく見えます。ビジター・センターから、アラ・ヘレ・イケ・ハワイ・トレイルはホノコハウビーチまで延びる約1キロのトレイルです。そのトレイルには「キイ・ポハク」いう昔のハワイアンが使っていた象形文字(ペトログリフ)が残された場所があります。ペトログリフには昔の人の社会、伝統、信心、宗教などの生活が残されています。現在ではペトログリフの研究が進み、文字のいくつかは解読できるようになっています。キイ・ポハクの入り口の郵便受けにはパンフレットが入っていますので(英語のみ)、読みながら、歩いてみるのも楽しいでしょう。

キイ・ポハクに残されている貴重なペトログリフ

ホノコハウ湾に突き当たるとヘイアウ、アンキアライン・プール、アイオピオ・フィッシュトラップを見ることができます。アンキアライン・プールは山から流れてきた真水と海水が入り交じる池です。ここではハワイのエビなどが生息していました。また、フィッシュトラップは、海からの魚が岩でできた池のようなプールの中に入り、魚が逃げられなくなり、捕ることができるという池です。今でもこの場所にはハワイ・アオウミガメや絶滅危惧種のハワイアン・モンクシール(アザラシ)がよく来ます。また、珍しい野鳥やハワイ固有の植物なども見ることができます。

 

ヘイアウはハワイの島々で残された祭事をした遺跡です。そこでは戦争、農業、漁業、航海、薬の神に対して、供物、植物、フラやお祈り、歌などを捧げたと言われます。

アイオピア・フィッシュトラップ

アイオピア・フィッシュトラップをさらに、海岸線に続くトレイル、アラ・ヘレ・カハカイを約2キロ歩くと、カロコ・フィッシュポンドに到着します。その間、アイマカパ・フィッシュポンドがあります。この二つのフィッシュポンドはいわゆる養殖池であり、小さい魚はこの池と海を行ったり来たりしますが、魚が大きくなると池から出られなくなるという仕組みで、魚を捕ることができました。先人の知恵が生かされた場所です。カロコ・フィッシュポンドの石は約3世紀前に積み上げられ作られたもので、長さ約640mの長さの人工の防波堤になっています。養殖池の魚を捕るほかは、漁業も盛んでした。魚網は植物の繊維で作られ、ルアーや釣り針は骨や貝、石から作られました。この3つの池は、伝統的な水産文化の素晴らしい見本となっています。

 

アラ・ヘレ・カハカイ・トレイルの山側では少し高い場所に溶岩でプランターが作られ、さつまいも、ヒョウタンをはじめ、色々な作物が作られました。

 

また主食であったタロイモも作られていました。

アイオピア・フィッシュトラップからカロコ・フィッシュポンドへ続くアラ・ヘレ・カハカイ・トレイル

公園内の山の方にはママラホア・トレイルがあります。このトレイルはカメハメハ1世が歩いたとされる歴史的なトレイルの一部を復元されたものです。ここには約1.6キロしか残っていませんが、昔はハワイ島で最も重要な主要道でした。

 

海の近くの住人は、魚、塩、ココナッツを、山の住人はパンノキ、タロイモ、布団や、衣服として使われたカパの材料であるワウケなどと物々交換され、助け合いの生活を送っていました。

 

Kaloko-Honokohau National Historical Park

73-4786 Kanalani St., #14

Kailua-Kona HI  96740

Tel:  808-329-6881

Website:  www.nps.gov/kaho

時間:8:30-16:00

休み:なし

料金:無料 

 

  • 藤原 小百合 アン
    Anne Sayuri Fujiwara
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    アーミッシュキルトの盛んなアメリカ・オハイオ州の高校に留学中にアメリカン・パッチワークを習得。メリーランド大学学士号取得。その後ハワイに移住し、マウイ島のハナ・マウイ・ホテルで出会ったハワイアンキルトのベッドカバーに一目惚れをし、ハワイアンキルトを始める。2001年9月11日、ニューヨークで起きた同時多発テロ事件の犠牲者とその家族への追悼キルト、『千羽鶴 フレンドシップキルト』を全国のキルターとともに完成させ、2009年9月、9.11メモリアルに寄贈。2011年7月、ハワイで毎年開催される「キルトハワイ」において、オリジナルデザインの「マノアの森」キルトがグランプリ受賞。ハワイ、日本でのレッスンなど、伝統的なハワイアンキルトを広げるため、日々奔走中。15年以上、パシフィックリゾートの「キルトパラダイス」(http://www.holoholo.world/kawaraban/category/quilt/)を連載中。 日本でハワイアンキルト本を数冊出版。2006年よりホノルルフェスティバルにおける伝統的ハワイアンキルト展を毎年開催。2013年よりイオラニ宮殿の日本語ドーセントのボランティアを始め、現在ハワイ在住31年目。

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