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所用時間5min
2019.06.30

アワ・レディ・オブ・ピース大聖堂

ダミアン神父ゆかりの大聖堂

ハワイ最古のカソリック教会

ワイキキからバスで約20分。ハワイ王国時代の首都だったホノルルのダウンタウンには、王国の宮殿であるイオラニ宮殿をはじめ、数々の史跡が集中しています。王国時代に建てられた伝統ある教会もいくつかあり、その一つが、ハワイのカソリック教の総本山ともいうべきアワ・レディ・オブ・ピース大聖堂。

同教会はハワイ最古のカソリック教会であるばかりか、継続して礼拝の行われているカソリック教会としても、アメリカで一番古い教会です。加えてハワイゆかりの聖人、ダミアン神父の足跡が残る教会との事実(詳しくは後述)が、同教会の名をハワイ内外で高めていると言えるでしょう。

そんな関係で同教会にはダミアン神父の遺骨の一部、そしてもう一人のハワイゆかりの聖人であるマリアン・コープ尼の遺骨が祀られています。ハワイ指折りの歴史深い教会として、ダウンタウン散策の際にはぜひ見学したい史跡の一つです。

大聖堂の祭壇の横にはダミアン神父とマリアン尼を祀ったコーナーが

カメハメハ3世のカソリック追放令を乗り越えて

教会の歴史を説明する前に、まず簡単にハワイでのキリスト教伝道の歴史を振り返ると…。ハワイにはまず1820年、プロテスタントの宣教師が上陸し、王族の協力を得て各島に教会が設立されました。それに遅れること7年。今度は1827年、カソリックの宣教師がハワイに入ると、当時ハワイを治めていたカメハメハ3世はダウンタウンの土地を与え、同教会が設立されたのです。

現在、立派な大聖堂が建つ地のすぐ横に、まずは小さな木造の聖堂が建てられましたが、10年後の1837年に大事件が発生。プロテスタントの宣教師の圧力を受けたカメハメハ3世が、ハワイからカソリック派を追放する決定を下したのです。ハワイに一番乗りしたプロテスタント派は、その頃までに王族に対しても多大な影響力を持っていたため、敵対するカソリック派をまんまと島から追い出すことに成功したのでした。

ところがその2年後。カソリック大国のフランスから軍艦がホノルルに来訪し、ハワイ王国にカソリック信仰の自由を要求しました。その結果、再びカソリック信仰がハワイで許されることになり、同教会の歴史が再度始まることになりました。

ダミアン神父も通った教会

現在、ダウンタウンのフォートストリートに建つ同教会の大聖堂は、1843年に完成したもの。やはりダウンタウンにあるオアフ島最古のプロテスタント教会、カワイアハオ教会と同じく、その建材はカカアコ沖の海底から切り出された珊瑚ブロックです。イオラニ宮殿の完成が1882年ですから、この大聖堂はダウンタウンでも指折りの古い建造物ということになります。

今ではバチカンの聖人になった前述のダミアン神父がこの教会に関わっていたのは、1860年代のこと。ベルギー生まれのダミアン神父は1864年、24歳でハワイ入りし、同教会で叙階を受けることになりました(叙階=聖職位の一つに任命されること)。その後、ハワイ島を経て1873年、ハンセン氏病患者の救済のためモロカイ島カラウパパに赴任し、自らもハンセン氏病で亡くなっています。

その功績により2009年、カソリック聖職者として最高位である聖人の列に加えられたダミアン神父。ダミアン神父の跡を継ぎ、やはりモロカイ島で生涯を閉じたマリアン尼もまたホノルル時代には同教会に通い、2012年にバチカンにより聖人に認定されています。そしてその尊い2人の遺骨が、同教会には祀られているというわけです(注:ダミアン神父についてはかかと部分の骨)。

マリアン尼の遺骨

そんな背景から、カソリック教徒に限らず、ハワイの人々に深く敬愛されている2人の聖人が眠る同教会は、過去にはもちろん現在も、ハワイにとって大変重要な聖域です。日曜礼拝に加え、平日にも2度の礼拝(6時30分、12時)があり、終日人々が集っています。訪問の際はどうぞ私語を慎み、敬意を持ってお参りしていただきたいと思います。

なお同教会では、2016年から続いていた大改装がようやく終了。歴史的な価値だけでなく、磨きあげられたステンドグラスや絢爛たる祭壇はじめ、見事な内部の装飾も一見の価値ありです。ぜひゆっくり訪れてみてください。

https://www.cathedralofourladyofpeace.com/

 

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  • 森出 じゅん
    Jun Moride
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセント(水曜日担当)も務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニー・マガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社刊)がある。
    森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex

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