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2016.01.28

カネ&カナロア神話1「ハワイの創世神話」「カネとカナロアの水探し」

四大神のカネとカナロアは、2人一組で数々の神話に登場

  • カネとカナロアが2人でハワイ中を旅したとされ、各島に神話が残る。
  • その神話の多くが、2人が各島で見つけたという清水にちなむもの。

ハワイの創世神話
ハワイの四大神のうちカネは創造と生命、清水などを操り、一般に四大神のリーダー的存在として知られます。一方、海の神、まれに冥界の神ともされるカナロアは、ほかの神に比べるとややマイナーな印象も。登場する神話はカネと対で描かれるものがほとんど、と言えるでしょう。

中でもカネとカナロアにまつわる神話で忘れることができないのが、この世の創造に関する物語です(カネ&カナロアに加え、四大神のロノとクーも登場します)。

遥か昔のハワイは真っ暗闇で、天国もなければ地球も、もちろん生物もいませんでした。そんな混沌の中にカネ神だけが、一人存在していました。やがてそこに光が差し込み、クー、ロノ、カナロアの3人の神々が出現。カネに加わりました。

カネは海からヒョウタンを拾い上げ、上半分を投げ上げるとそれが空に、下半分は大地となりました。ヒョウタンの2つの欠片からは太陽と月が生まれ、種は夜空にまたたく星になりました。

この世が誕生すると、神々は生物を創造することに。カネが地上の生き物を、カナロアが海の生物を創り、クーは森の木々を、ロノはそのほかの植物を創造。この世が様々な生物で満たされました。

カネ&カナロアら四大神はカネオヘ湾に伸びるモカプ半島の赤土から人間を創ったとされる

次に四大神は、この世の長となる人間を創ることに。まずカナロアが赤土をこね、自分達の姿に似せて土人形を創りました。しかし土人形はカナロアが呼びかけても応えず、崩れて土に返ってしまいました。

今度はカネが赤土で人形を作ってみました。そして神々が起き上がるよう命じると、土人形に命が灯り、立ち上がって歩き始めました。これが、この世に現れた初めてのハワイアンということです。


カネとカナロアの水探し
カネとカナロアは一緒にハワイ中を旅して巡ったとされ、各島に2人にまつわる神話があります。そのうちの多くが、2人が見つけた泉や川にちなむものです。

2人はカヴァ酒が好物で、カヴァ酒を作るため水が必要でした。カヴァ酒とはカヴァの木の根を砕いて作るポリネシアの飲み物。アルコール分はありませんが、沈静効果があります。根自体は大変苦いのですが、水と混ぜることで飲みやすくなるのでした。

カウアイ島ハエナにはカナロアが掘ったという泉をたたえる洞窟がある(ワイカナロア洞窟)

オアフ島にも、そんなカネとカナロアにちなんだ伝説が残っています。

昔々のこと。カネとカナロアがホノルルのカリヒにやってきました。カリヒには良質のカヴァが多く、2人はカヴァの根をたっぷりくだきましたが、肝心の水が付近にありません。

そこでカナロアが言いました。「せっかく素晴らしいカヴァがあるのに、水がない。さて、どうしよう?」。それに応えて「いや、水はここにあるよ」とカネ。さっそく太くて強い槍を手にして、歩き出しました。カリヒの土壌の下には溶岩が横たわっていますが、カネはそれをものともせず、槍でガンガンと土を掘り始めます。

やがて溶岩も砕かれ地中に深い穴があくと…。カネの言ったとおり、清水が勢いよく吹き出しました! カネとカナロアは喜び、その水でカヴァ酒を作り大満足。今でもこの泉は、カプカヴァイオカリヒ(カリヒの水穴)として知られています。

カリヒでたっぷりカヴァ酒を飲んだ2人はしばし昼寝を楽しみ、やがて旅を続けることに。ヌウアヌ渓谷を越え、やがて美しいマノアの谷にやってきました。ここでもカヴァの根をたくさん見つけた2人。例によって水が必要になりました。

「この土地のカヴァは、ほかのどの土地のものよりも素晴らしいぞ。水がないがどうしよう」とカナロア。するとカネが言いました。「水ならこの丘の斜面にあるよ」。

カネが強靭な杖で丘の斜面を叩くと、岩盤が割れ、岩々の間から冷たい水がこんこんと湧き出しました。カネとカナロアはさっそくカヴァ酒を作り、泉の横で満喫。のんびり昼寝も楽しんだということです。

この泉はカヴァイアケアクア(神の水)として知られ、18世紀にオアフ島滞在中だったカメハメハ大王も、泉の水を飲んだそうです。

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  • 森出 じゅん
    Jun Moride
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセント(水曜日担当)も務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニー・マガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社刊)がある。
    森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex

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