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2018.01.05

両生類・爬虫類(アオウミガメ、他)

ウミガメの仲間

ウミガメは、ハワイでもっとも良く知られる爬虫類(はちゅうるい)です。このうち、在来のウミガメは、アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ、オサガメ、ヒメウミガメの5種です。ハワイ諸島の沿岸部で観察できるウミガメのほとんどはアオウミガメで、まれにタイマイを確認できるくらいです。ただし、北西ハワイ諸島の西域沿岸ではアカウミガメも見られます。

この他に外来種として、ミシシッピアカミミガメや、トゲスッポン、イボクビスッポン、スッポンの生息が確認されています。

アカウミガメ(英名:Loggerhead sea turtle、学名:Caretta caretta)甲長65~100cm、体重は70~180kgで、他のウミガメよりも大きな頭部が特徴です。
 

(G)アオウミガメ(英名名:Green Sea Turtle、学名:Chelonia mydas、ハワイ名:Honu)ハワイでもっとも多く見られるウミガメで、甲長は80~100cm、体重は70~230kgです。一般に南方のアオウミガメほど大きい傾向があります。ハワイ語でホヌと呼ぶときは一般にアオウミガメを指しますが、本来はウミガメの総称です。アオウミガメの主食は海藻で、その種類は300種近くに上ります。メスが産卵を開始するのは25歳以上です。ハワイの伝統社会では貴重なタンパク源であるとともに、アウマクア(先祖の霊)として神聖な存在でもありました。現在は保護の対象で、陸上海上を問わず、3m以上離れて観察することが義務づけられています。
 

オサガメ(英名:Leatherback turtle、学名:Dermochelys coriacea)甲長120~200cm、体重は最大で1トン近くあり、ウミガメの仲間で最大級です。甲羅は発達せず、革のような質感の皮膚が体を覆います。


タイマイ(英名:Hawksbill turtle、学名:Eretmochelys imbricata、ハワイ名:'Ea / Honu ‘Ea)甲長は50~120cm、体重は30~70kgです。個体数が減少し、絶滅危惧種に指定されています。
 

ヒメウミガメ(英名:Olive ridley、学名:Lepidochelys olivacea)甲長はオスよりも大型のメスの場合、50~70cm、同じく体重は33~45kgです。かつてアカウミガメと呼ばれていましたが、後に変更されました。他のウミガメと異なり、集団で産卵するのが特徴です。生息数は少なく、絶滅危惧種に指定されています。
 

カメレオンの仲間

ハワイで飼育されたり野生化しているカメレオンはいずれも外来種です。ハワイ各島で確認されているカメレオンは、(F)ジャクソンカメレオン(英名:Jackson's chameleon、学名:Chamaeleo jacksonii)と、ヴェイルドカメレオン(和名:エボシカメレオン、英名:Veiled chameleon、学名:Chamaeleo calyptratus)です。いずれも繁殖力が強く、有害動物に指定されています。


トカゲの仲間

トカゲは多くの種類がハワイに生息します。西欧人がもたらしたものと思われがちですが、それ以前から生息していたものもあります。ゲッコの仲間もそのひとつで、それゆえ昔から人気があります。ただし、グリーンアノールは侵略的外来種として有害動物指定されています。ハワイ諸島で確認されているトカゲの仲間は以下のとおりです。
 

オンナダケヤモリ(学名:Gehyra mutilata、英名:Four clawed gecko)、トッケイヤモリ(学名:Gekko gecko、英名:Tokay gecko)、 ホオグロヤモリ(学名:Hemidactylus frenatus、英名:House gecko)、ナキヤモリの仲間(学名:Hemidactylus garnotii、英名:Indo-Pacific gecko、和名:なし)、キノボリヤモリ(学名:Hemiphyllodactylus typus、英名:Tree gecko)、 オガサワラヤモリ(学名:Lepidodactylus lugubris、英名:Mourning gecko)、ヒルヤモリの仲間(学名:Phelsuma guimbeaui、英名:Orange spotted day gecko、和名:なし)、(A)ヒロオヒルヤモリ(学名:Phelsuma laticauda、英名:Gold dust day gecko)、オオヒルヤモリ(学名:Phelsuma madagascariensis、英名:Madagascar day gecko)、グリーンアノール(学名:Anolis carolinensis、英名:Green anole、和名:なし、写真DとE)、 ナイトアノール(学名:Anolis equestris、英名:Knight anole)ブラウンアノール(学名:Anolis sagrei、英名:Brown anole、和名:なし、写真Bはオス、写真Cはメスです)、オガサワラヤモリの仲間(学名:Cryptoblepharus poecilopleurus、英名:Mottled snake eyed skink、和名:なし)、キアヌラミヤコトカゲ(学名:Emoia cyanura、英名:Brown-tailed copper-striped skink)、オマキトカゲの仲間(学名:Emoia impar、英名:Azure tailed skink、和名:なし)、ガーデンスキンクの仲間(学名:Lampropholis delicata、英名:Metallic skink、和名:なし)、リピニアトカゲの仲間(学名:Lipinia noctua、英名:Moth skink、和名:なし)
 

カエルの仲間

ハワイに分布するカエル(両生類)はすべて外来種です。そのなかでもっともよく知られているのはハワイ島を中心に、急速に生息範囲を広げている(H)コキ・フロッグ(プエルトリコ原産のコキコヤスガエル)です。体長は36~52mmとかなり小型ですが、夕暮れどきから翌朝まで大きな声で「コキッ」と鳴き続けます。ちなみに鳴くのはオスだけです。コキ・フロッグは1ヶ月に2度前後産卵します。他のカエルと違い、水たまりを必要としないので、生息地を選びません。世界の侵略的外来種ワースト100にも指定されています。


この他に、マダラヤドクガエル(学名:Dendrobates auratus、英名:Poison dart frog)、キューバズツキガエル(学名:Osteopilus septentrionalis、英名:Cuban tree frog)、(I)オオヒキガエル(学名:Bufo marinus、英名:Cane toad)、グリーンハウスフロッグ(学名:Eleutherodactylus planirostris、英名:Greenhouse frog、和名:なし)、ウシガエル(学名:Rana catesbeiana、英名:American bullfrog)、ツチガエル(学名:Rana rugosa、英名:Wrinkled frog)などがいます。

 

 

※トップ画像はカイルア・コナの海岸近くで泳ぐアオウミガメです。

  • 近藤 純夫
    Sumio Kondo
    担当講師

    エッセイスト、翻訳家。写真家。 ハワイ火山国立公園アドバイザリースタッフ。フラ・ミュージアム(スパ・リゾート・ハワイアンズ)アドバイザー。アロハ・カワラ版(パシフィック・リゾート)アドバイザー。国内外で各種のカルチャー講座を主催。ハワイ関連の著書に『フラの花100 』(平凡社)、『歩きたくなるHawaii』(亜紀書房)、『アロハ検定オフィシャル・ブック』(共著・ダイヤモンド社)、『フラの本』(講談社)、『ハワイアンガーデン』、『ハワイ・ブック』、『ハワイ・トレッキング』、『ハワイ諸島の自然』(以上、平凡社)、『おもしろハワイ学』(JTB)、『裏ハワイ読本』(共著、宝島社)など。訳書に『イザベラ・バードのハワイ紀行』(平凡社)、『ナショナル・ジオグラフィック 荒ぶる地球』(岩波書店)など。フェイスブックで毎日ハワイの小咄と写真を発信している。 「Facebook」https://www.facebook.com/kondo.sumio

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