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所用時間5min
2017.10.18

クプクプ

クプクプはタマシダの仲間で、単葉のシダです。末広がりにならず、刀のような形状をしているのが、英名や和名の由来となっています。クプクプは日差しの多い土地では葉(葉身)は硬く、明るい緑色をしていますが、木陰に育つものは葉が柔らかく濃緑色をしています。いずれの環境でも、胞子嚢(被子植物の種子に相当するもの)は、葉の裏側に付きます。たとえばハワイ火山国立公園では火山大地に自生していますが、一般にはオヒアやコア、ウィリウィリなどの木に着生します。病害虫に強いため、庭植えの木としても普及しています。

ハワイ名はいずれもその刀状の形を表しています。これは和名も英名も同じです。学名の Nephrolepis は、胞子嚢の形が腎臓に似ていることに由来します。分布は、北は日本から南はニュージーランドまであり、少なくとも15種類が確認されています。クプクプは樹木や岩や地面に成長します。また、傍らに樹木があれば、木を伝い、枝の上でも育ちます。ハワイ島の火山国立公園では冷え固まった溶岩に最初に出現する植物のひとつです。

密生して生えるクプクプ

ハワイ語のクプには「芽生える」という意味があります。クプクプの生長は早く、ときに一帯を埋め尽くします。フラのハーラウでは、祭壇にクプクプが置かれることがあります。フラを習う者の知識が芽生え、成長してほしいという願いが込められています。また、フラを踊る際、手首や足首に飾りとしてつけることもあります。、あるいは頭に載せるハクに利用されました。この時に唱えるチャントに次のようなものがあります。「カーネオハの丘に漂うクプクプの香り」オアフ島のカネオハは火の女神ペレの父によって命名されたと言われます。種小名には「ハートの形をした」と言う意味があります。

カウアイ島のシダの洞窟で、天井から垂れ下がっているシダは、このクプクプの仲間(N. exaltata / ボストンファーン)です。天井から垂れ下がるこのシダはクプクプにとても良く似ていますが、より柔らかくて葉の幅が広く、根の部分はうろこ状が目立ちます。この他にも3つの近縁種が在来種と交雑し、2008年現在、5種が野生化してハワイ諸島各地に分布します。クプクプは日なたでも日陰でも成長しますが、場所によって形や色が幾分異なります。近縁種との違いを見分けるのは少し難しいかもしれません。クプクプと類似種とのもっとも大きな違いは、地下茎が発達し、茎のどこからでも地上に葉身を伸ばすことができる点です。

葉裏からは胞子嚢が見える

植物情報

学名  :Nephrolepis cordifolia / N. exaltata spp. hawaiiensis / Doodia kunthiana
 シノブ科タマシダ属(ドーディア属)
ハワイ名:Kupukupu / Kupukupu lau lii / 'Ōkupukupu / Ni'ani'au(ニイハウ島)
英名  :Narrow sword fern / Narrow sword fern / Fishbone fern
和名  :タマシダ / セイヨウタマシダ / カタナシダ
原産地 :日本~太平洋の熱帯地域~ニュージーランド
     ハワイ諸島を含む一定地域の固有植物
特徴:シダ類。葉身は50~100cm。葉の幅は7~10cm。標高400mから1500mに分布する。鱗片をつけるのが特徴。溶岩が流れ固まったあと、オヒアやオヘロとともに最初に着床する植物のひとつ。英名は、刀のように細く背が高い形状に由来する。パーモホ(Pamoho) とも呼ばれるクプクプ(Nephrolepis exaltata) は別種。ハワイ人は葉柄が1 枚のシダをすべてクプクプと呼んだ。「kupu」はハワイ語で「芽」の意味。フラの舞台装飾に用いられることもある。

 

 

※トップ画像はハワイ島のキラウエア・イキに自生するクプクプです。

  • 近藤 純夫
    Sumio Kondo
    担当講師

    エッセイスト、翻訳家、写真家。ハワイ火山国立公園アドバイザリースタッフ。ハワイ州観光局アロハプログラム・キュレーター。ハワイ関連の著書に『フラの花100 』『新ハワイアンガーデン』(平凡社)、『歩きたくなるHawaii』(亜紀書房)、『フラの本』(講談社)、『Dear Maui マウイを巡る12の物語』(共著/ Little Gift Books)、訳書に『イザベラ・バードのハワイ紀行』(平凡社)など。
    フェイスブック・サイト https://www.facebook.com/kondo.sumio
     

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