ハワイ語で「歌」を「メレ (mele)」といいます。
草花を紡いでレイを編むように、ハワイアンは言葉を紡いでメレをつくります。
そのメレで、人や出来事や場所をたたえます。
メレの中にハワイアンの考え方や価値観が透けて見えてきます。
ではハワイの島々はメレの中でどのように歌われているのでしょう。
ラナイ島をたたえるメレをセレクトしてご紹介します。



ハワイ諸島で最小の有人島、ラナイ。現在は豪華なリゾートホテルと野性的な大自然が同居する島、過去にはパイナップル産地として栄えた歴史を持つ島です。
マウイ島の西岸、ラハイナやカアナパリの海辺から沖に見えるこの島はメレのなかでどのように歌われているのでしょう。
ラナイ島のご当地ソングとして愛されている『メレ・オ・ラナイ』の歌詞を見てみましょう。

Mele O Lānaʻi
(Val Kepilino)

He mele kēia ʻāina o Lānaʻi
Ka huina liʻiliʻi o nā mokupuni
Liʻiliʻi ka manaʻo me ka ʻōlelo
Mea nui o nā moku ʻāina

Kona pua ponoʻī ke kaunaʻoa
Ua ʻoi kona uʻi mua ka lehua
Ka wai hoʻoluʻu like me ke kula
Pili me kukuna o ka lā

Ka mea nui o kēia ʻailana
Ka halakahiki hoʻowaiwai
E hoʻokaulana ʻoe kou inoa
ʻImi ola no ka lehulehu

Haʻina ʻia mai ana ka puana
Pumehana kou inoa aʻo Lānaʻi
Liʻiliʻi ʻoe ke aloha nui
He manaʻo poina ʻole



これはラナイ島の歌
諸島のなかの小さな島
小さく思われ言われる
大きな存在の島

島の花はカウナオア
美しさはレフアを超える
色はゴールドのよう
まるで太陽の光

この島の名物
パイナップル、繁栄もたらす
知らしめたあなたの名
人々に恩恵を与えて

伝えられるこの歌に
あたたかいその名はラナイ
小さいあなたに大きなアロハ
忘れられることのない

（訳詞：よしみだいすけ）


ラナイ島をたたえるこのメレの歌詞に、島を代表する植物の名前が二つ編み込まれています。

カウナオア Kaunaʻoa
ラナイ島の島花。ヒルガオ科ネナシカズラのハワイ固有種。黄金色のつる状の茎が他の植物に絡みつき、小さな白い花をつける。ツルを編んでレイにする。

ハラカヒキ Halakahiki
パイナップル