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所用時間5min
2014.01.18

ハワイの伝統・風習

美しい伝統・風習が社会をまとめ今のハワイを作りあげている
 

  • ハワイアンの伝統、移民が母国からもたらした各国の伝統が広まり、ハワイ全体の伝統に
  • 雛祭り、初詣でなど日本の伝統も根づいている


人種のるつぼであるハワイには、ハワイやアメリカの風習・伝統に加え、各国からの移民によってもたらされたものもたくさんあります。一民族の伝統がほかの人々にも浸透し、いつしかハワイ全体の伝統に発展したものも。移民のもたらした文化や伝統が人々を分断するのではなく逆に1つにまとめ、ハワイというユニークな土地柄を作り上げているといえるでしょう。

Photo Courtesy of Hawai‘i State Archives

《ハワイアンの風習・伝統》

ベビー・ルアウ
昔のハワイでは乳児の生存率が大変低かったため、1歳の誕生日はマイルストーンとも言えるものでした。そのため昔のハワイアンはルアウ(ハワイ式宴会)を催し、子供の成長を祝ったものでした。その伝統は現代のハワイ全体に浸透し、ハワイアンだろうが日系だろうが、1歳の誕生日を盛大に祝います。ルアウといっても供するのはハワイアンフードに限らず、一般のレストランでのパーティだったりも。100人単位で客を招く家族も珍しくありません。

現代ハワイでも、クプナの存在は大変大きい

クプナへの敬意
クプナとはハワイ語でシニアのこと。古来ハワイアンはクプナを敬い、クプナの言うことは絶対でした。近代国家の多くが失ってしまった敬老の精神が今もハワイでは根強く、家庭内で、社会で、まずはクプナを優先し、クプナを尊重。クプナは知恵の源であり愛情深く、子供はクプナから多くのことを学びます。クプナを「老人」ではなく「長老」と訳すと、ハワイにおけるクプナの重要性が理解しやすいかもしれません。

オハナの精神
オハナは家族を意味するハワイ語です。狭義だけでなく広義での家族、一族をも意味し、2世代、3世代住宅は、ハワイではオハナ住宅と呼ばれます。オハナの精神といえば、「助け合いの精神」とほぼ同義。現代ハワイではさらに血縁を超え、学校や職場、地域社会などのグループを、オハナととらえる人々もいます。

アロハ・スピリット
ハワイの魅力は美しい自然や気候だけではありません。愛情深く思いやり溢れる人々の温厚な人柄と心持ち、もてなしの心など、俗にいうアロハ・スピリットもまた、世界中の人々に愛される美点の1つです。アロハ・スピリットは、オハナの精神で助け合ってきたハワイアンの気質はもとより、移民同志がお互いを受け入れ、助け合いながら生きてきた歴史背景が生んだ、ハワイの美徳と言えるでしょう。
 

レイを贈る
ハワイでは有難う、おめでとう、ウェルカム、時にはさよならの意味をこめ、ことあるごとにレイを贈り合います。レイはハワイの人々の万感の想いを代弁し、愛情や友情を象徴するものだからです。もしレイを贈られたら、断るのは絶対禁物。男性も女性も恥ずかしがらず、ハワイの美しい花の習慣を楽しみましょう。

レイを贈る習慣もアロハ・スピリットの1つだ
Photo
Courtesy of Hawai‘i Tourism Hawai‘i(HTA)/Tor Johnson

《そのほかの風習・伝統》

大晦日&新年
ハワイでの年越しは賑やかです。中国の年越しと同様、島中で爆竹が鳴らされ、年越しパーティを催す人々も多いものです。年末が近づくと日本の門松のミニチュアが、一般のスーパーマーケットや花屋で売られたりも。ユニークなのは、正月に(鯛の代わりに)刺身が好んで食べられることでしょう。そのため年末にはマグロの価格が高騰し、「今年のマグロの価格は…」と新聞、テレビのニュースになったりもします。元旦に初詣でに出かけるのも、日系に限りません。

初詣で客で賑わうホノルル・ダウンタウンの出雲大社

旧正月
中国系だけでなく、ハワイ全体で旧正月は大きなイベントとなっています。この時期はショッピングセンターなど各地でライオンダンス(日本の獅子舞いのようなもの)が行われ、オアフ島なら、公立・私立の小学校がチャイナタウンを遠足で訪れたりも。旧正月をはさんで数週間にわたり、チャイナタウンではパレードなど多彩なイベントが催されます。
 

ひな祭り&端午の節句
日本のひな祭り、端午の節句が、ガールズデー、ボーイズデーとして浸透。学校でお雛様や兜を作ってお祝いしたり、街中では鯉のぼりも見られます。レイショップによると、ひな祭りには女性にレイを贈る人も多いそうです。

ホノルル・チャイナタウンでは旧正月の盛大なパレードも催される

レイデー
ハワイでは5月1日のメイデーは、レイの美とハワイアン・カルチャーを愛でるレイデーとして知られます。各学校でレイデーの女王を選び、フラやハワイアン音楽を楽しむイベントを催したりも。ワイキキのカピオラニ公園では、レイデーの女王&王女のお披露目やコンサート、レイ作りのコンテストなどが開催され、たくさんの人々が集まります。

カピオラニ公園で行われたレイ・メイキング・コンテスト

アロハ・フライデー
アロハシャツ業界が提唱した「金曜日にはアロハシャツを着よう」というキャンペーンをきっかけに、1960年代に浸透した習慣です(詳細は「アロハシャツ」の項を参照)。金曜日にはカジュアルに装おう、アロハシャツを着ようという意味合いが高じて、今では(週末が始まる)ハッピーな金曜日、といった意味でもよく使われています。

盆ダンス
日本の盆踊りは盆ダンスとして地元の人々に親しまれ、ハワイの夏の風物詩となっています。6月~8月の週末には各地の寺院に櫓がたてられ、盆ダンスを中心に祭りを開催。浴衣や半被姿で盆ダンスを楽しむ地元の人々で賑わいます。

ローカルの人々も夏の盆ダンスを毎年楽しみに待つ

独立記念日
7月4日は独立記念日としてアメリカで大切な祝日です。ハワイではこの日、友人・家族が集まってバーべキューをしたり、パーティを楽しむ人々が実に多いもの。夜は各地で花火が打ち上げられ、そのため海辺の公園では、早朝からテントを張って場所取りをするグループで混雑します。

  • 森出 じゅん
    Jun Moride
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセントも務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニー・マガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社刊)、「Hawaii 神秘の物語と楽園の絶景」(パイインターナショナル)がある。
    森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex

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