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所用時間5min
2015.10.13

オーラパ / ラパラパ

フラの踊り子の語源となった葉

 

オーラパやラパラパは葉のサイズよりも長い葉柄を持ちます。しかも細いので、微風でも葉がよく揺れることで知られます。このような構造をしているのは、余分な水分を葉の表面に残さないためという説もありますが、はっきりとしたことはわかっていません。他の樹木では葉が揺れないようなわずかな風でも、これらの樹木では葉が揺れます。その様子がフラの踊り子に似ていることから、オーラパという名前はフラダンサーの代名詞ともなりました。


オーラパやラパラパというハワイ名の「ラパ」は、葉がパタパタと揺れるのを表した擬音で、「弾ける」とか「跳ねる」などの意味があります。オーラパの果実は染料や香料として用いられたほか、材は建材として用いられました。果実は、アララーと呼ばれる絶滅危惧種のハワイガラスや在来の山鳥などの餌となります。また、果実や葉、樹皮などは、カパ(不織布)を青色に染める染料として用いられました。葉はレイの素材となりました。材(幹)を切り倒すと、切り口からニンジンに似た香りを放ちます。この香りはママキで作られたカパの香料として用いられました。

オーラパの葉と実


特徴
オーラパは樹高5~15m、葉は7~15cm、花序(花の集合体)のサイズは20~24cmです。標高440~1250mの湿地帯に分布します。カウアイ島のオーラパは、葉の縁と葉柄が赤紫色となり、それ以外の島では葉の縁も葉柄も葉と同じ緑色をしています。葉以外にも外観上の違いのあるものがあり、これまでに3種類の亜種が確認されています。
ラパラパは樹高3~8m、幹の径15~20cm、花序(花の集合体)のサイズは10~15cmです。標高600~1500mの森や、湿地帯などに分布します。オーラパよりも葉柄が細く長いのこと、葉が円に近い点が特徴です。オーラパ、ラパラパとも花後に3~7mmの濃い赤紫色の実をつけます。果実はオーラパの方が多く付けます。

ラパラパ

ハワイ名:'Olapa / Lapalapa
学名:Cheirodendron trigynum / C. platyphyllum ウコギ科ケイロデンドロン属
英名:なし
和名:なし
原産地:オーラパはカホオラヴェ島を除くハワイ諸島に広く分布する。ラパラパはカウアイ島とオアフ島の湿地帯にのみ分布する / 固有植物

カウアイ島とハワイ島のオーラパの葉。縁の色が異なる

  • 近藤 純夫
    Sumio Kondo
    担当講師

    エッセイスト、翻訳家、写真家。ハワイ火山国立公園アドバイザリースタッフ。ハワイ州観光局アロハプログラム・キュレーター。ハワイ関連の著書に『フラの花100 』『新ハワイアンガーデン』(平凡社)、『歩きたくなるHawaii』(亜紀書房)、『フラの本』(講談社)、『Dear Maui マウイを巡る12の物語』(共著/ Little Gift Books)、訳書に『イザベラ・バードのハワイ紀行』(平凡社)など。
    フェイスブック・サイト https://www.facebook.com/kondo.sumio
     

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