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所用時間5min
2014.01.18

ラアウ・ラパアウ(薬草治療)

古来ハワイでは薬草の研究が盛ん
今なお活用されている植物も多い

  • 薬草治療の専門家はカフナ・ラアウ・ラパアウと呼ばれ、古代ハワイでは家庭医のような存在だった
  • ハワイの薬草の効能は高く評価され、ガヴァなど今も多用されるものもある

薬草治療が進んでいたハワイ
古来ハワイでは、薬草、つまり漢方治療が大変盛んでした。薬草治療の専門家はカフナ・ラアウ・ラパアウと呼ばれ、今でいう一般医、家族医のような役割を担っていたようです。

ハワイ大学医学校の中庭には薬草ガーデンも造られている

自然豊かなハワイでは300種以上の植物の薬効が研究され、植物に限らず海の生物、海水までを使った自然療法が浸透していました。結核にノニ、切り傷や便秘、下痢にククイ、肝臓病や不眠症にカヴァ、できものや頭痛にティーリーフ、鼻腔の病いにオレナ、といった具合です。
 

ハワイ語辞典の編纂者の1人でハワイ文化の大御所、故メリー・カヴェナ・プクイ女史の祖父も、カフナ・ラアウ・ラパアウの1人でした。一家は半エーカーもの薬草ガーデンを持っていたそうです。
 

薬草治療というと、中には根拠のない民間治療と考える人もいるかもしれませんが、現代医療の場でも、ハワイ伝統の薬草は生かされています。たとえばガヴァジュース。ハワイではおなかをこわすと、医師はガヴァジュースを飲むよう指示します。ハワイ随一の婦人科・小児科総合病院、カピオラニ病院で配っている用紙にもその記載があります。ガヴァは果実、特に若芽が腸の不調に効くからです。

切り傷や便秘薬としても活用されたククイ

ノニは95%の結核菌を殺す
ノニについても同様です。古来ノニは、皮膚の疾患や結核、心臓の病いに使われてきました。実際に2000年、ハワイで開催された環太平洋国際科学会議でフィリピンの学者から発表された数値によると、ノニの葉の抽出液には95%の結核菌を殺す作用があるとのこと。一方、現代の結核治療の抗生物質、リファンピジンは97%の殺菌率。こういった科学的数値の証明がなくとも、ハワイアンは数百年前からその効き目を熟知していたことになります。

結核の治療薬にもなるというノニの葉

またこれは医療施設ではありませんが、ハワイのサロンやスパでは、ティーリーフ・ラップというメニューをよく見かけます。これは冷やしたティーリーフの葉を身体中に巻き、身体の熱を取るというトリートメント。古代ハワイでもティーリーフは熱さましとして珍重され、頭痛がひどい時には頭にティーリーフを巻き、痛みを抑えていました。
 

そんな流れでハワイ大学医学校でもハワイの薬草を研究する科が設置され、その中庭には薬草ガーデンが広がっているほどです。書店に出向けばハワイの薬草に関する書籍が多数並び、アメリカ50州の1つとして最新の医療施設を誇るハワイであっても、今だ薬草研究が盛んなことを実感できるでしょう。

頭痛や発熱を鎮めるティーリーフ

付帯的な情報・発展情報

昔のハワイアンは体調を崩した時、海水を飲む療法も取り入れていました。海水をまずコップ3,4杯飲み、次いで真水を1杯。それが下剤の役割をして腸内が洗浄され、体調が整えられたそうです。また最後に口直しとして砂糖きびも食べたとか。

  • 森出 じゅん
    Jun Moride
    担当講師

    【インタビュー動画あり】
    オアフ島ホノルル在住。横浜出身。青山学院大学法学部卒業後、新聞・雑誌・広告のライターとして活動。1990年、ハワイ移住。フリーランスのジャーナリストとして活動する傍ら、ハワイの文化や歴史、神話・伝説、民間伝承を研究中。単に「美しいハワイ」にとどまらないハワイの奥深い魅力、真の姿を日本に発信すべく、執筆を続ける。イオラニ宮殿日本語ドーセントも務める。著書に「ミステリアスハワイ」(ソニー・マガジンズ刊)、「ハワイの不思議なお話」(文踊社刊)、「やさしくひも解くハワイ神話」(フィルムアート社刊)、「Hawaii 神秘の物語と楽園の絶景」(パイインターナショナル)がある。
    森出じゅんのハワイ不思議生活 http://blog.goo.ne.jp/moridealex

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